後工程ガイド
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01 / CUT

転写マークの4辺カットは、
3千円の裁断機で22分が6分になります

白トナープリンターで作った転写マークは、4辺に糊がつきます。そのままプレスすると生地に糊だけが乗ってしまうので、プレス前に4辺を切り落とす必要があります。
Tシャツ50枚を作ったときは、この4辺カットを38枚分カッターで切って約22分かかりました。今回はハサミ・カッター・ディスクカッター(裁断機)の3通りを実際に試して、どこまで短縮できるかを検証しています。

結論

中古3千円のディスクカッター(カール事務機 DC-2A3N)に替えるだけで、38枚が約22分 → 約6分。刃の状態にもよりますが、8〜10枚をまとめて切れます

24:22
周辺カットの実測(38枚)
38.5
1枚あたり
13.8%
全工程に占める割合
約6
裁断機に替えた後

※ 全7工程の実測(総作業2時間56分59秒)における周辺カットの数値です。後工程のなかで3番目に長い工程でした。

なぜ4辺をカットするのか

できた転写マークに4辺糊がつくので4辺をカットする必要
できた転写マークに4辺糊がつくので4辺をカットする必要

抜ける転写紙で作った転写マークは、デザインの外側にも糊が残ります。この状態でプレスすると、絵柄のまわりに糊だけが四角く転写されてしまいます。光の角度で四角い跡が見えたり、触るとザラついたりする原因です。

だから、プレス前にデザインのすぐ外側で4辺を切り落とす。避けて通れない工程であり、仕上がりの良し悪しが一番はっきり出る工程でもあります。

関連:余白の処理がうまくいかず生地の裏に糊が出てしまった場合は「生地の裏に糊が出てしまった場合」(making_point_w3.html)もあわせてご覧ください。

3つの方法を実際に比べました

方法1:ハサミ 100均で充分

使用している長バサミは100均のもので、それで充分です
使用している長バサミは100均のもので、それで充分です

まずハサミ。使っているのは100円ショップの長バサミです。ここに良いものを買う必要はありません。切れ味の差より、このあと説明する「1枚あたりの手数」の方がはるかに効いてくるからです。

ただし枚数が増えるとつらくなります。1枚につき4回、紙を回して切り直す。線が波打つ。後半になるほど手が疲れて雑になる——この3つが積み重なります。

方法2:カッター+定規 50枚企画ではこの方法

約5ミリ程度を端からカット
約5ミリ程度を端からカット

カッターマットの上に転写紙を置き、ステンレス定規を当てて、端から約5mm程度を切り落とします。ハサミより切り口はまっすぐになります。

ただし速くはありません。50枚企画で38枚分を切って約22分。定規を押さえながら4辺ぶん切るので、1枚あたりの手数がどうしても減らないためです。

方法3:ディスクカッター(裁断機) これが答え

カール事務機 DC-2A3N(中古で3千円程度)
カール事務機 DC-2A3N(中古で3千円程度)

使っているのはカール事務機のディスクカッター DC-2A3N。中古で3千円程度で入手しました。新品でも3千円〜5千円台で手に入ります。

選んだ条件は3つだけ

  • A3が切れること——転写紙はA3が基本。A4までの機種だと結局カッターに戻ります
  • ディスク刃(丸刃)——スライドさせて切るタイプ。押し切り式より安全で、重ねてもズレにくい
  • 目盛りとガイド線——天板にA3・A4・B4・B5の目印があるので、毎回測らずに同じ位置で切れます

中古で十分です

裁断機は本体がほとんど消耗しない道具です。減るのは刃だけで、その刃は数百円で交換できます(後述)。

後工程の道具の中で、最も費用対効果が高い投資だと感じています。数千円で22分が6分になるので、1回の作業でほぼ元が取れます。

まとめ切りは何枚までできるか

10枚を裁断。しっかり固定しながら刃を動かす
10枚を裁断。しっかり固定しながら刃を動かす

この裁断機の一番の価値は「まとめ切り」です。ただし、ただ重ねればいいわけではありません。紙をしっかり固定しながら刃を動かすのがコツです。押さえが甘いと、下の紙ほど斜めに切れます。

この辺は裁断機スペックや刃状態によるが、一般的な10枚以下裁断機で8枚はカットできる
この辺は裁断機スペックや刃状態によるが、一般的な10枚以下裁断機で8枚はカットできる

枚数は裁断機のスペックと刃の状態で変わります。「10枚まで」と書かれている一般的な機種なら、8枚は問題なく切れます

新しい刃で少しカットすると刃が慣れてカットしやすくなって10枚に!
新しい刃で少しカットすると刃が慣れてカットしやすくなって10枚に!
ちょっとしたコツ:新品の刃はいきなり10枚だと重く感じることがあります。不要な紙で少し試し切りをして刃を慣らしてやると、10枚でもスッと切れるようになります。「新品なのに切れない」と思ったら、まず数回切ってみてください。

刃は消耗品です(1枚500円程度)

裁断機用の刃は基本売ってます(1枚500円程度でした)
裁断機用の刃は基本売ってます(1枚500円程度でした)

同じ裁断機でも、使い込んだ刃と新品の刃では切れ味がまったく違います。切れ味が落ちると、紙が切れずに引っぱられたり、フチが毛羽立ったりします。

替刃は普通に売っています。DC-2A3N ならカール事務器 ディスクカッター替刃 DCC-28、1枚500円程度です。本体を買い替える必要はありません。「最近きれいに切れないな」と感じたら、まず刃を疑ってください。

DTFフィルムのA3→A4カットにも使えます

A3をA4に10枚裁断機カット
A3をA4に10枚裁断機カット

この裁断機は転写紙専用ではありません。DTFフィルムをA3からA4に切り分ける用途でも同じように使えます。こちらも10枚まとめてカットできます。

DTFプリンター(WIPシリーズ)をお使いで、A3で出力してA4サイズに分けている方は、同じ効果が得られます。

結果:22分 → 約6分

裁断機を使う事で22分→6分程度に(38枚カット)
裁断機を使う事で22分→6分程度に(38枚カット)
約22
カッターで38枚
約6
裁断機で38枚
約16分短縮
1回の作業あたり
ハサミカッター+定規ディスクカッター
38枚の所要時間約22分約6分
一度に切れる枚数1枚1枚8〜10枚
切り口波打つまっすぐ(定規次第)安定してまっすぐ
疲労後半に精度が落ちる後半に精度が落ちる最後まで一定
費用100円千円程度中古3千円/新品3〜5千円台
ランニング替刃 数十円替刃 500円程度

失敗しやすいポイント

  • 押さえが甘い:まとめ切りの失敗はほぼこれです。しっかり固定しながら刃を動かしてください
  • 紙の端が揃っていない:セットする前に、必ず端をトントンと揃えます
  • 刃を往復させる:戻すときに紙が動き、切り口が二重になります
  • デザインに近づけすぎる:1mmずれただけで柄が欠けます。端から約5mmを目安に、余白は少し残す方が安全です
  • 刃の消耗を見落とす:切れ味の低下は少しずつ進むので気づきにくいです

よくある質問

何枚まで重ねて切れますか?

裁断機のスペックと刃の状態によります。「10枚まで」とされている一般的な機種で8枚は問題なく切れます。新品の刃を少し試し切りして慣らすと、10枚でも切れるようになります。

ハサミは良いものを買った方がいいですか?

必要ありません。当社で使っているのも100円ショップの長バサミです。ハサミの品質より、まとめ切りができるかどうかの方が作業時間にはるかに大きく影響します。

切れ味が落ちてきました。買い替えですか?

刃だけ交換してください。DC-2A3N ならカール事務器の替刃 DCC-28 が1枚500円程度で手に入ります。本体はほとんど消耗しません。

DTF(WIPシリーズ)のフィルムでも使えますか?

使えます。A3のフィルムをA4に切り分ける用途で、10枚まとめてカットできることを確認しています。

中古と新品、どちらを買うべきですか?

中古で十分です。当社も中古で3千円程度のものを使っています。新品でも3千円〜5千円台なので、お好みで選んでください。どちらにしても刃は消耗品として別に考えてください。

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