【注意喚起】
DTFプリンターに使えない
EPSONの品番一覧
「50万円以下」「100万円以下」で買える小型のDTFプリンターが、ここ数年で一気に増えました。ネットで調べれば、A3でもA4でも、手の届く価格の機械がたくさん出てきます。
ところが、その多くはEPSONの家庭用・海外向けインクジェットプリンターを改造したものです。そしてクイックアートは、4年以上かけて、国内で手に入るEPSONのインクジェットをほぼすべてDTF化しようと試してきました。その結果、多くの機種で「構造的に安定しない」ことが分かり、開発を断念しています。
問題は、当社が断念したのと同じベース機を使ったDTFプリンターが、今も国内外で販売されていることです。この記事では、断念した機種の品番と、何が起きたのか、なぜうまくいかないのかを、開発の記録と動画の画面、海外ユーザーのレビューとあわせて公開します。DTFプリンターを買って後悔する方を、一人でも減らすための記事です。
DTFを開発してきた期間
L1800・EW-M973A3T・L805
チューブとダンパーの数
必要だった本体の買い替え代
- 当社が4年以上の開発でDTF化を断念したEPSONは、L1800・EW-M973A3T・L805。いずれも小型DTFのベース機として国内外で広く使われている機種
- 3機種に共通するのは、インクタンク → チューブ → ダンパー → プリントヘッドという長いインク経路。粘度が高く沈殿しやすいDTFの白インクと、構造的に相性が悪い
- 起きたのは「昨日は出たのに今日は出ない」「ヘッドを替えても出ない」「インクが逆流して色が混ざる」「基板が壊れる」「新品に替えるしかない用紙詰まりエラー」
- 海外でも同じベース機のDTFには、白インクの目詰まり・ヘッドやダンパーの頻繁な交換・サポート不在を訴えるレビューが数多く見つかる
- 当社で安定運用できているのは、インクカートリッジがヘッドの真上に載り、経路がほぼないA4機のWIP754。A3機は当社もトラブルが多く販売を中止した
- 小型DTFを買う前には、「ベース機の品番」「インク経路の構造」「誰が、どこまで責任を持つか」を必ず販売店に確認してほしい
なぜこの記事を公開するのか
当社の東京ショールームには、毎日のようにDTFプリンターの相談が届きます。その中で増えているのが、「他社でDTFプリンターを買ったが、うまく動かない」という相談です。話を聞いてみると、その多くが、当社がすでに開発で失敗し、断念した機種をベースにしたものでした。

DTFプリンターは、まだ使ったことがない方にとって具体的で信頼できる情報が非常に少ない機械です。5年前から、導入を検討する方が手に入れられる情報はほとんど深まっていません。一方で、販売商品と販売会社だけはどんどん増えていて、選ぶ側の混乱は大きくなる一方です。
当社は4年以上、専任のスタッフを含めて、商品化の可能性があるEPSONプリンターのほとんどに取り組んできました。その中で商品化までたどり着けたのは、ごく一部です。開発が非常に難しいことを身をもって知っているからこそ、「この機種は難しい」という情報を出せるのは、実際に試した当社しかいないと考えています。
・50万円以下、100万円以下の小型DTFプリンター(A3・A4)を検討している方
・ネットショップや展示会で「EPSONベースのDTF」を勧められた方
・すでに小型DTFを買い、白インクの詰まりやエラーで困っている方
当社が開発に使った「インク」「RIPソフト」「フィルム」は、他の販売会社のものと同じではありません。そのため、ここで紹介する機種が「どんな条件でも絶対に使えない」と言うつもりはありません。実際、L1800のDTFを工夫しながら長く使っている当社のお客様もいます。ただ、構造上の弱点は、インクやソフトを替えても消えません。その弱点を知ったうえで判断していただきたい、というのがこの記事の趣旨です。
DTF化を断念したEPSON 3機種の一覧
当社が商品化を目指して開発し、最終的に断念した主な3機種です。どれも、海外のDTF動画や通販サイトで「DTFに使える」と紹介されることの多い機種です。
世界で最も多くDTF改造に使われている機種。当社も複数の機種を販売したが、多くの方に安定して使ってもらうのは難しく、販売を中止。
コンパクトでインクも入れやすく、A4機の兄弟機になると期待した機種。1ヶ月のテストで一度はGOを出したが、発売直後に重大エラーが続き即中止。
海外で「Mini DTF」として多く売られているA4機。L1800と同じく、タンクからチューブとダンパーを通してヘッドへ送る構造。
| 品番 | サイズ | 販売地域 | インク供給 | 当社の結果 | 主なトラブル |
|---|---|---|---|---|---|
| EPSON L1800 | A3ノビ | 海外のみ | タンク→チューブ→ダンパー→ヘッド | 販売中止 | 白インク不出、ヘッド・チューブ全交換、逆流による混色、基板故障 |
| EPSON EW-M973A3T | A3 | 日本国内限定 | タンク→チューブ→ダンパー→ヘッド | 発売直後に中止 | 解消できない用紙詰まりエラー、全色が出なくなる |
| EPSON L805 | A4 | 海外のみ(廃番) | タンク→チューブ→ダンパー→ヘッド | 断念 | L1800と同系統の構造上の問題、本体の入手難 |
※動画内では「EW-M973AT」と表記していますが、正式な型番は「EW-M973A3T」です。※当社では、ほかにEP-50V・PX-5V2なども試作しましたが、給紙の構造やメンテナンス性の問題で商品化していません。
EPSON L1800:「海外では使える」の正体
L1800は、日本では販売されていない海外向けのA3ノビ機です。世界中のDTF改造機のベースとして最も多く使われていて、当社も発売当初の数年は「商品化できる」と考え、私自身を含む複数のスタッフで試行錯誤を重ねてきました。実際に、L1800ベースで複数の機種を販売しています。
しかし結論として、いろいろな方に、安定して使っていただくのは難しいと判断しました。以下は、私が東京ショールームで実際に数ヶ月間L1800のDTFを動かしていたときの記録の一部です。
- 昨日まで白インクが出ていたのに、今日は出ない。クリーニングを何回しても出ない。プリントヘッドを交換しても出ない。途方に暮れる
- 1週間ほどで白インクが出なくなり、やむなくプリントヘッドを交換(数万円)
- 最終的にはチューブを全部交換しないとインクが出ない
- インクが逆流していて、白インクの部分に黒が混ざった
- シアンだけが急に出なくなった。当然ほかの色も、クリーニングで直らない
- 電源がつかなくなった。マザーボード(基盤)を交換した

販売する側としても、使う側としても一番困ったのは、「トラブルが起きたときの正しい対処方法が分からない」ことでした。ヘッドクリーニングをする、チューブを吸引する、ダンパーを替える。1つのエラーが起きるたびに、いろいろな箇所を順番にチェックしなければならず、それでも直らないことが多くありました。
海外のYouTubeと、同じようにやってもうまくいかない
一番驚いたのは、DTFが出始めたころ、海外のYouTubeに「L1800はDTFにできる!使える!」という動画がたくさんあったことです。ところが、同じようにやってもうまくいかない。インクなどの違いもあるのでしょうが、どうも数ヶ月〜長期の運用は海外でもできておらず、そこはあまりオープンにされていない印象でした。

中国からL1800のDTFを購入して使っている当社のお客様に話を聞くと、海外での運用の前提が日本とはまったく違うことが分かりました。
・プリントヘッドやダンパーは消耗品として扱い、すぐに新品に交換する
・1台ダメになるのは当然なので、4台など複数台を同時に動かす
・できる限りプリンターを休ませず、印刷し続ける
→ 安い原価で大量にプリントTシャツを作る環境が前提。中国などではプリンターも部品も日本より安く手に入るため、「プリンター本体も消耗品」「壊れたら捨てる」という感覚が強い

当社のお客様にも、L1800のDTFを今も使っている方が複数いらっしゃいます。ただその方々には、プリンターを分解して元に戻すことを苦にしない、より良いインクやRIPソフトを自分で探す探求心がある、粘り強くテストを続けられる、という共通点がありました。いわば上級者です。
「1台を大事に、長く、安定して使いたい」という日本の多くの事業者さまの使い方には合わない。それが、当社がL1800の販売を中止した理由です。現在、A3サイズでプリントしたい方には、安定して運用できる白トナー転写をおすすめしています。
EPSON EW-M973A3T:1ヶ月はOK、その後に重大エラー
EW-M973A3Tは、2021年2月に日本国内限定で発売されたA3のエコタンク機です。コンパクトでインクも注入しやすく、当社のA4機WIP754と同じように使えるA3機になると考えて開発しました。1ヶ月ほどテストをしてGOサインを出し、2023年6月に発売を開始しましたが、重大なエラーが発生し、すぐに販売を中止しました。理由は2つです。
理由1:解消できない「用紙詰まりエラー」
DTFフィルムを数枚〜数十枚印刷すると、「用紙詰まりエラー」が発生します。プリンター内部のセンサーの影響と考えられますが、一度このエラーが出ると解消できず、新品のプリンターに交換するしかありません(本体価格 約9万円)。

理由2:インクが出なくなる(インク経路の問題)
用紙詰まりエラーが起きなかった個体でも、CMYKと白、全色が出なくなる症状が起きました。クリーニングを何回しても出ない。パッドやモーターなどを一式交換しても、メイン基板を交換しても、タンク・ダンパー・チューブを外しても直らず、結局は新品のプリンターに交換しました。

新品に交換しないと解消できないエラーがあり、数ヶ月でも同じプリンターでDTFを運用し続けるのは難しい。当社はそう判断しました。エラーが出るたびに約9万円の本体を買い替えていては、どれだけ材料費が安くても事業になりません。
EPSON L805:L1800と同じ構造のA4機
L805は、海外でのみ販売されているA4のインクタンク機です。海外の通販サイトやYouTubeでは「Mini DTF」「A4 DTF」として、L805をベースにした小型DTFが数多く紹介されています。

YouTubeでDTFを調べると、L1800とL805を比べる動画も出てくるほど、2機種はセットで語られます。L805も、L1800と同じくインクタンクからチューブとダンパーを通してプリントヘッドへインクを送る構造です。当社も商品化を目指しましたが、L1800と同様にかなり難しく、実現できませんでした。
さらにL805は、海外ですでに廃番になっている機種で、動画を撮影した2025年12月の時点で新品はほとんど流通していません。本体の入手そのものが難しいため、壊れたときに同じ機械を用意できるかという点でも不安が残ります。価格が安い小型DTFほど、このL805やL1800がベースになっていることが多いので、注意が必要です。
うまくいく機種・いかない機種の構造の違い
では、当社が商品化できたWIPシリーズと、できなかった3機種は何が違うのか。答えは、インクが通る道のり(インク経路)です。
当社の動画の構造比較図をもとに作図。チューブの本数は機種の色数によって異なります。

問題1:インクタンクがヘッドより低い・横にある
例外はありますが、業務用のDTFプリンターのほとんどは、プリントヘッドよりも高い位置にインクカートリッジやインクタンクがあります。重力でヘッドにインクが流れ込みやすく、逆流も起きにくいからです。

ところが、L1800やEW-M973A3Tのようにヘッドより下、しかも横からインクを引っぱるタイプは、チューブとの相性や吸引の具合によって、ヘッドまで安定してインクを送るのが難しいのです。
問題2:チューブとダンパーが、DTFインク向けではない
普通のインクジェットプリンターのチューブは、普通のインク用に作られています。DTFの白インクは、顔料の粒が大きく、粘度が高く、放っておくと沈殿します。細いチューブや小さなダンパーの中で沈殿や気泡が起きれば、そこで詰まります。本来は、より太いチューブが適しています。
しかも、チューブとダンパーは色の数だけあります。5本のチューブと5個のダンパー、そのどこか1か所で詰まりや逆流が起きても、インクは出なくなります。L1800で「ヘッドを替えても出ない」「最後はチューブを全部替えた」という記録が残っているのは、このためです。

当社のWIP754は、インクカートリッジがプリントヘッドの真上に直接載る構造です。チューブもダンパーもないため、詰まる場所・逆流する場所がほとんどありません。これが、当社の機種の中でWIP754が最も安定して運用できている理由です。
海外ユーザーのレビューにも、同じトラブルが並ぶ
「当社のやり方が悪かっただけでは?」と思われるかもしれません。そこで、当社が断念したL1800・L805(と同系統のL800・R1390)をベースにした小型DTFについて、海外のユーザーが公開しているレビューを調べました。Trustpilotや海外のプリンターフォーラムには、当社のショールームで起きたこととほぼ同じトラブルが並んでいます。
| 海外レビューで多かった不満 | 当社の開発で起きたこと |
|---|---|
| プリントヘッドを何度も交換(1年で3個目、1年で4個、3ヶ月未満で故障) | 1週間ほどで白インクが出なくなり、ヘッドを交換(L1800) |
| 白インクが出ない・片方の白チャンネルが出ない | 昨日出ていた白が今日は出ない。クリーニングでもヘッド交換でも直らない(L1800) |
| チューブの詰まり、ダンパーの膨張・液漏れ | 最後はチューブを全部交換しないと出ない(L1800) |
| メインボード(基板)の故障・電源が入らない | 電源がつかなくなり、マザーボードを交換(L1800)。基板交換でも直らない(EW-M973A3T) |
| サポートの返答が遅い・保証が効かない | トラブル時の正しい対処法が、販売側にも分からない |
実際のレビュー(要約と原文の一部)
I am on my 3rd print head
trustpilot.com/review/procolored.com
I have bought numerous motherboards and print heads
trustpilot.com/review/procolored.com
WARRANTY IS ONLY 6 MONTHS!
trustpilot.com/review/procolored.com
white ink spraying everywhere when the circulation system starts
trustpilot.com/review/procolored.com
I now have a $6K paperweight!!!!
trustpilot.com/review/dtfstationglobal.com
I totally regret purchasing this Prestige A4
trustpilot.com/review/dtfstationglobal.com
My white ink does not print
trustpilot.com/review/procolored.com
The printhead failed in less than three months under normal use
trustpilot.com/review/procolored.com
entire printheads failing after barely any use.
trustpilot.com/review/procolored.com
They had me buying print head, sacs, lines, and circulation pumps
trustpilot.com/review/inksonic.com
recurring failures on the ink channels
trustpilot.com/review/inksonic.com
I thought cool it's def gonna print and it didn't
printerknowledge.com
※レビューは2026年10月時点で各サイトに公開されていた個人の投稿を、当社が日本語で要約したものです(引用は原文の一部)。投稿者の個人名は掲載していません。Trustpilotは投稿内容の事実確認を行っていません。また、上記ブランドは低評価だけでなく高評価も多く集めており(Procolored 約4.5/Inksonic 約4.4、いずれも5点満点)、ここでは当社が断念したのと同系統のトラブルを抜き出して紹介しています。
メーカーの仕様・業界の資料も、同じ弱点を示している
- L1800はもともと白インクのない6色の写真用プリンター。EPSONの公式カタログでは、シアン・ライトシアン・マゼンタ・ライトマゼンタ・イエロー・ブラックの6色構成です。白インクを流すことは、そもそも想定されていません。(EPSON L1800 公式ブローシャー)
- 「電源を切らずに、休みの日も入れっぱなしに」。海外のL1800ベース機の公式ページには、電源を入れておけば10時間ごとに自動でクリーニングすること、休暇中も電源を入れておくことが案内されています。放置すると詰まる前提の運用です。(Procolored F13 製品ページ)
- 白インクの酸化チタンは重く、止まると沈殿する。海外の消耗品メーカーの解説では、白インクはCMYKより重く、一晩止めただけで翌朝の下地が薄くなり、循環をおろそかにすることが高額なヘッド修理の一般的な原因だとしています。(Alpha Print Supply「White Ink Circulation Guide」)
国内の販売サイトを調べると、型番に「L1800」「L805」を冠した小型DTFが、30万〜40万円前後(税別)で今も販売されています。ほかにも、ベース機を公表していない機種、白インクの撹拌が手動の機種、プリントヘッドを保証の対象外としている機種があります。価格の安さだけで選ぶ前に、次のチェックリストで必ず確認してください。
当社自身の失敗:A3機は販売を中止しました
動画の撮影時点では、当社はA4機とA3機の2機種を販売していました。しかしその後、A3機(WIP A3)はトラブルが非常に多く、販売を中止しました。インクカートリッジまわりからのインク漏れと、それが原因の基板エラーが続き、多くのお客様に本体交換などのご迷惑をおかけしました。
4年以上この分野に取り組んできた当社でさえ、A3の小型DTFは安定させられませんでした。それほど、家庭用インクジェットをDTFにするのは難しいということです。
現在、当社で安定して運用いただけているのは、A4機のWIP754です。インクカートリッジがヘッドの真上に載り、インクの経路がほぼない構造で、白インクの使い方・メンテナンスの手順・トラブル時の対処法まで、実際の運用データにもとづいてご案内しています。それでも、インクジェットである以上、ヘッドの目詰まりのリスクはゼロではありません。そのこともあわせてお伝えしたうえで、ご検討いただいています。
A3サイズのプリントが必要な方には、インクを使わず目詰まりのない白トナー転写(WTRIP835)をおすすめしています。
小型DTFを買う前のチェックリスト
DTFプリンターのメーカー・販売会社は、購入者に対して責任を負います。特に、国内のプリンターメーカー純正の商品ではない改造機は、販売会社がどれだけテストをしたのか、エラーがどのくらい起きて、どう対処するのかを、細かく聞いてから判断してください。購入前に、次の項目を販売店に必ず確認しましょう。
- ベース機の品番は何ですか?L1800・L805・EW-M973A3Tなど、この記事で紹介した機種がベースなら要注意。品番を答えられない販売店も要注意です。
- インクはヘッドより上にありますか?下ですか?タンクがヘッドより低い位置・横にあり、チューブで引っぱる構造は、インクの供給が不安定になりやすい。
- チューブとダンパーは、DTFインク用のものですか?一般インク用の細いチューブのままか。ダンパーの大きさや形は白インクに合っているか。
- 白インクの沈殿対策はどうなっていますか?撹拌・循環の仕組みはあるか。毎日どんな作業が必要か。
- ヘッドの掃除は、分解しないとできませんか?プリントヘッドを分解しないと直接掃除できない構造なら、誰がどうやって対応するのか。自分で分解するのは、人によっては大きな負担です。
- 何台を、何ヶ月テストしましたか?1ヶ月のテストでは分からないエラーがあることは、EW-M973A3Tの例のとおりです。長期の運用実績を聞きましょう。
- どんなエラーが、どのくらいの頻度で起きていますか?「起きません」という答えは信用できません。100点満点のDTFプリンターはなく、ヘッドの目詰まりは必ず起こるリスクです。
- ヘッド・ダンパー・基板が壊れたら、誰が、いくらで、何日で直しますか?改造機はメーカー保証の対象外になることがほとんど。販売会社の保証内容と部品の在庫、修理の実績を確認。

DTFプリンターに100点満点のものはなく、どの機種にも長所と欠点があります。大切なのは、その当たり前のリスクに対して、そのプリンターがどんな特性を持ち、どんな対処法があるのかを、買う前に具体的に知っておくことです。
一方で、一度は諦めた機種でも、何かのきっかけで開発が一気に進み、商品化につながることもあります。それがこのプリンター業界の面白いところでもあります。ただ、現時点で、EPSONのL1800・EW-M973A3T・L805は、DTFプリンター化が難しかった機種です。小型DTFの導入を検討している方の参考になれば幸いです。
よくある質問
- DTFプリンターに使えないEPSONの品番はどれですか?
- クイックアートが4年以上の開発で断念したのは、EPSON L1800(A3ノビ・海外のみ販売)、EW-M973A3T(A3・国内限定)、L805(A4・海外のみ販売)の3機種です。いずれもインクタンクからチューブとダンパーを通してヘッドにインクを送る構造で、DTFの白インクを安定して送り続けることができませんでした。
- 50万円以下の小型DTFプリンターは買わないほうがいいですか?
- 価格だけで判断するのではなく、ベース機の品番とインク経路の構造、販売会社の保証と修理体制を確認してください。L1800やL805など、この記事で紹介した機種がベースの場合は、ヘッドやダンパーの頻繁な交換を前提とした運用になる可能性が高いです。
- 海外ではL1800のDTFが普通に使われているのでは?
- 海外では、ヘッドやダンパーを消耗品としてすぐ交換し、複数台を休ませず動かし続ける前提で使われていることが多く、プリンター本体も消耗品という感覚です。1台を長く安定して使いたい使い方には向いていません。
- なぜタンク式のプリンターはDTFでトラブルが多いのですか?
- インクタンクがヘッドより低い位置や横にあり、一般インク用の細いチューブと小さなダンパーを通してインクを引っぱる構造のためです。粘度が高く沈殿しやすいDTFの白インクは、経路のどこかで詰まりや逆流を起こしやすくなります。
- クイックアートで安定して使えるDTFプリンターはありますか?
- A4機のWIP754は、インクカートリッジがヘッドの真上に直接載る、インク経路がほぼない構造で、現在も安定して運用いただいています。A3サイズが必要な方には、目詰まりのない白トナー転写(WTRIP835)をおすすめしています。
そのDTFプリンター、買う前に
一度ご相談ください
検討中の機種のベース機や構造について、分かる範囲でお答えします。
すでに購入した小型DTFでお困りの方のご相談も受け付けています。
東京・大阪・福井でのデモ体験、オンラインでの個別説明(30分程度)も可能です。
※本記事は、クイックアートが自社で行った開発・試作・販売の記録と、当社のお客様からうかがった情報にもとづいています。当社が使用したインク・RIPソフト・フィルムは他社製品と同一ではなく、同じベース機を使った他社製品の性能を個別に評価・保証するものではありません。海外レビューは各サイトに公開された個人の投稿を要約したもので、内容の正確性は投稿者によります。導入の際は、必ず販売会社に構造・保証・修理体制を確認したうえでご判断ください。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


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