ワッペンワークのような
「選んで、貼る」体験を、
在庫を持たずに始める
好きな雑貨と好きなデザインを選び、自分でアイロンを当てて世界にひとつの物を作る。そんな「ワッペンワーク」が流行っています。東京のお店を見に行くと、多くの方が楽しそうにアイロンを当てていました。一方で、こうしたお店は都市部に限られているのが現状です。
理由のひとつは、ワッペンシールの在庫です。当社の小型DTFプリンター(A4機)なら、デザインを必要なときに必要な分だけ印刷できるので、シールの在庫を抱えずに同じような体験を用意できます。雑貨屋さん・小売店さん・ワークショップをされる方に向けて、作り方、ワッペンシールとの違い、素材別のアイロンプレス、費用の目安と注意点を、動画の実演からまとめました。
- ワッペンワークが都市部に限られるのは、雑貨とワッペンシールの在庫をそろえ、それを売り切る集客が必要だから(当社の見立て)
- 小型DTFならデザインを必要な分だけ印刷できる。A4のフィルムに約100個並べれば、1個あたりの原価は約1円(動画撮影時)。お客様の名前などのオーダーにも応えやすい
- DTFフィルムはワッペンシールと違い裏に粘着がなく、対象物からはみ出して貼れない。ハサミで小さく切り、耐熱テープで位置を止めて、シリコン紙をのせてアイロン
- キーホルダー、ベルト素材のストラップ、革のキーケース、ファイルバッグ、Tシャツに家庭用アイロンで転写できた。革は余白の糊が目立つことがあるのでテスト推奨
- 始める費用は動画撮影時でプリンター27万円(税別)+ミニプレス機4.5万円(税別)。現在のA4機WIP754Rは270,000円(税別)
ワッペンワークとは、なぜ都市部だけなのか
ワッペンワークは、好きな小物雑貨に、好きなデザインのワッペンシールを選んで、自分でアイロンプレスして世界にひとつの物を作る楽しみ方です。東京では2つのお店があり、当社も新大久保のお店へ見に行きました。韓国の小物雑貨と、韓国風のイラストや定番のワッペンが多く並び、多くの方が自分で選んだ雑貨にプレスしていました。

ただ、調べてみると、ワッペンワークを体験できる場所は東京などの都市部が中心で、全国どこでも見かけるわけではありません。当社の見立てでは、理由は在庫にあります。
| ハードル | 内容 |
|---|---|
| 雑貨の仕入れ | プリントする小物雑貨を何種類も仕入れる必要がある |
| ワッペンシールの在庫 | 「A」「B」などの文字やイラストを1種類ずつ、たくさん仕入れる。流行物なので、大量に仕入れると売れ残る心配がある。小売店が自分でワッペンシールを作るのは設備投資のリスクが高く、仕入れに頼ることになる |
| 集客 | 在庫を売り切るには人が集まる場所が必要。大量仕入れ・大量販売・回転の多い都会と相性の良い仕組み |
大手のお店でも、選んだ雑貨に刺繍やプリントを入れるサービスは以前からあります。ただ、作業はお店の方が行うことが多く、選べるデザインの種類もワッペンワークほど多くありません。お客様が自分で数多くのデザインから選び、自分で貼ることが、オリジナル感と楽しさにつながっています。
小型DTFに置き換えると何が変わるか
ワッペンワークのお店では、たとえば「A」のデザイン1つが200円といった価格で販売されています(ワッペンシールは1個100〜200円くらい)。「A」が売れてなくなれば「A」だけを仕入れ直す、という管理を1種類ずつ行うのは大変です。仕入れたシールには欠品しているイラストもありました。
小型DTFなら、デザインをパソコンから印刷するだけです。足りなくなったら印刷すればよく、在庫を持つ必要がありません。そして原価が安くなります。

| 比べる点 | ワッペンシールを仕入れる | 小型DTFで印刷する |
|---|---|---|
| 在庫 | デザインごとに仕入れて管理。欠品や売れ残りが出る | 持たない。足りなくなったら印刷 |
| 1個あたりの原価 | 仕入れ値(販売価格の例は1個100〜200円) | A4に約100個並べて約1円(動画撮影時) |
| デザインの自由度 | 仕入れ先のラインナップから選ぶ | お店のオリジナルデザイン、お客様の希望の名前なども作れる |
| 手間 | 仕入れと在庫管理 | 印刷・パウダー・ベーキング・カット。印刷は1枚5〜10分(デザインによる) |
名前のオーダーも作りやすくなります。たとえば14文字の名前を1文字200円のシールで作ると2,800円になりますが、自分で印刷できれば、もっと安く提供できます。
作り方の流れ(印刷・パウダー・ベーキング)
使うのは、当社の小型DTFプリンターWIP754(A4機)です。動画の撮影日の時点で、A4のコンパクトで安価なDTFプリンターはこの機種だけでした。好きなデザインをパソコンから印刷します。印刷時間はデザインによって5〜10分ほどかかります。

印刷が終わったら、フィルムにパウダー(ホットメルト)をつけます。動画では、ケースの中でパウダーをかけるパウダリングケースを使っています。周りにパウダーが飛び散りません。
次に、パウダーをつけたフィルムを加熱するベーキングです。方法は3つあります。

| ベーキングの方法 | 動画撮影時の価格 | 2026年10月時点の価格 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ホットプレート | 1万円台 | 17,600円(税込) | 安く始められる |
| ミニプレス機 | 4万円台(4.5万円・税別) | 製品ページでご確認ください | 2分×2回=計4分でベーキングできる。転写のプレスにも使える |
| ベーキングマシン | 8万円 | DRYING OVEN 88,000円(税込) | ベーキング専用 |
プレス機をお持ちでない方には、ミニプレス機をおすすめしています。ベーキングだけでなく、フィルムを雑貨に貼るプレスにも使えるからです。アイロンでも貼れますが、大きいデザインや数の多いときはプレス機があると便利です。
※パウダリングケースは動画内で4,000円と紹介しています。2026年10月時点では4,400円(税込)/6,600円(税込)の2種類です。
ワッペンシールとDTFフィルムの違い
ワッペンワークのように使うには、印刷したフィルムをハサミでデザインごとに切り分け、お客様が選べるようにしておきます。ここで、ワッペンシールとの違いを知っておくと失敗が減ります。

| 比べる点 | ワッペンシール | DTFフィルム |
|---|---|---|
| 裏面 | 粘着があり、シールのように仮止めできる | 粘着なし。軽いので位置がずれやすい |
| 対象物からのはみ出し | はみ出してもOK | 不可。はみ出した部分はうまく付かない |
| 余白 | デザインの形 | まわりにフィルムの余白がある。できるだけ小さく切る |
| 貼れる物 | ほとんどの繊維物 | ある程度の繊維素材に貼れるが、できない物もある(要テスト) |
位置決めには、耐熱テープでフィルムを止めてからプレスするのがおすすめです。当社でも耐熱テープを販売しています。


素材別のアイロンプレス実演
ワッペンワークで使われるような素材に、家庭用アイロンでフィルムを貼りました。基本の手順はどれも同じです。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1. 下準備 | 下にマットを敷く。シワがある素材は、先にアイロンで平らにする |
| 2. 置く | フィルムを置き、必要なら耐熱テープで止める。上にシリコン紙(リケイ紙)をのせる |
| 3. 押す | アイロンは中温。体重をかけて5秒。場所を変えてもう一度、計2回 |
| 4. 剥がす | 完全に冷めてからフィルムを剥がす。剥離は軽い |
| 5. 仕上げ | 仕上げプレスをすると、より生地になじむ |

キーホルダー・ストラップ・革のキーケース
キーホルダーは、金具が邪魔になるので注意して押します。ベルト素材のストラップも、革のキーケースも、やることは同じです。どれも問題なく転写できました。ただし革は素材によって難しいものもあり、余白部分の糊が少し目立ちやすいことがあるので、いろいろテストしてから使ってください。
ファイルバッグ:シリコン紙を忘れない
大きめのデザインをファイルバッグに貼りました。まずプリントする場所をアイロンで平らにします。ここで注意したいのが、フィルムの上にシリコン紙を敷かないと、フィルムがアイロンにくっついて失敗することです。シリコン紙をのせたら、一度さっとアイロンを滑らせて仮止めし、そのあと5秒ずつ、デザイン全体を押していきます。

このくらい大きいデザインは、プレス機なら一度で終わります。それでも、お客様自身がアイロンの作業を楽しみたいという声は必ずあるはずなので、そこはお店の考え方次第です。
Tシャツ:黒地にも白とフルカラー
最後は綿の黒いTシャツです。シワを伸ばしてから、クマのイラストを貼りました。DTFは白インクを使うので、濃い色の生地にも白とフルカラーでプリントできます。綿だけでなくポリエステルなどいろいろな生地に貼れて、洗濯にも強いプリントです。


費用と回収の目安
動画撮影時の価格で、始めるのに必要な機械と、回収の目安を整理しました。
| 項目 | 動画撮影時 | 2026年10月時点 |
|---|---|---|
| 小型DTFプリンター(A4機) | WIP754 27万円(税別) | WIP754R 270,000円(税別) |
| ミニプレス機 | 4.5万円(税別) | あおり式ミニプレス機 JL-PL001E。価格は製品ページでご確認ください |
| 合計 | 約30万円(27万円+4.5万円) | プリンター270,000円(税別)+プレス機 |
| A4 1枚の資材代 | 約150円 | 約167円(税込。印刷フィルム132円+印刷代35円) |
回収の考え方は単純です。A4 1枚に100個のデザインを並べ、1個100円で売れば1万円。これを30枚ほど売れば、約30万円の設備代を回収できる計算です(動画撮影時の価格での試算。人件費や雑貨の仕入れ代は含みません)。A4いっぱいを毎回刷る必要はなく、小さい面積だけ印刷することもできます。
※WIP754Rのセットにはパウダー・インク・印刷フィルムA4 100枚などが付属します。Windowsパソコンは別途必要です。
ワッペンを外注した場合との比べ方
「自分でワッペンを作ったり、外注したりするといくらかかるのか」も調べました。ネットで見つかった刺繍ワッペンの価格帯は次のとおりです。
| 5cm×5cmの刺繍ワッペン | 1枚あたり |
|---|---|
| 10枚注文 | 1,500〜2,500円 |
| 50枚注文 | 1,000〜1,300円 |
版代が必要な場合もあります。刺繍のワッペンは、フルカラーに対応できるミシンで表面を縫い、接着テープを合わせてヒートカッターで切る、という手作業の多い工程で作られ、刺繍機の価格も高く技術も必要です。1枚から作るのは現実的ではありません。もちろん仕上がりはDTFとは別物なので、単純な比較はできませんが、少量・多品種のデザインを用意する手段としては、小型DTFのほうが手軽です。
地方の雑貨屋さんに向く理由
今のワッペンワークの仕組みは、集客と回転の多い都会でないと成り立ちにくいものです。在庫を持たない小型DTFの仕組みなら、地方でも好きな量だけ始められます。

- プリントする素材はすでにある:Tシャツ、バッグ、ポーチ、キーホルダーなど、雑貨屋さんは多様な素材を仕入れて販売しています
- 場所がある:地方ほど、ワークショップができる広い作業スペースを確保しやすい
- 目的に合う:地方の小売店では、回転率を上げるより、将来のファンを増やすことや客単価を上げることが大切。体験型の仕組みはそこに合う
- 自分のブランドにも使える:ワークショップだけでなく、お店のオリジナルデザインの商品を少量から作って販売できる
注意点・向かないケース
在庫リスクがなくなる反面、ワッペンシールにはない手間もあります。始める前に知っておいてください。
素材によっては付きにくい物もあります。革は余白の糊が目立つことがあり、ほとんどの繊維素材に貼れるとはいえ、事前のテストをおすすめします。
また、他社のブランド品などにプリントして販売してよいかどうかは、当社では判断できません。プリントして販売してよいかの判断は、ご自身でお願いします。
衣類への大量のマーク作りなど、生産性を重視する場合は、白トナープリンタのほうが向くこともあります。製法の違いは白トナープリンターとDTF、本当はどっち?で比べています。
よくある質問
- ワッペンワークとは何ですか?
- 好きな小物雑貨と好きなデザインのワッペンシールを選び、お客様が自分でアイロンプレスして世界にひとつの物を作る楽しみ方です。東京などの都市部にお店があります。
- 小型DTFでワッペンワークのようなことはできますか?
- できます。小型DTFで印刷したフィルムをデザインごとに切り分け、お客様に選んで貼ってもらいます。動画ではキーホルダー、ストラップ、革のキーケース、ファイルバッグ、Tシャツに家庭用アイロンで転写できました。
- ワッペンシールと何が違いますか?
- DTFフィルムは裏面に粘着がなく、対象物からはみ出して貼ることができません。デザインのまわりの余白はできるだけ小さく切り、耐熱テープで位置を止めて、シリコン紙をのせてプレスします。
- アイロンの温度と時間は?
- 動画では家庭用アイロンの中温で、体重をかけて5秒、場所を変えて2回押し、完全に冷めてから剥がしています。DTFは120〜150℃の広い範囲で転写でき、高温ほど転写は強くなりますが生地へのダメージも大きくなります。
- 1個あたりの原価と、始める費用は?
- 動画撮影時は、A4 1枚約150円のフィルムに約100個のデザインを並べて1個約1円でした。機械はプリンター27万円(税別)とミニプレス機4.5万円(税別)で約30万円です。2026年10月時点ではA4機WIP754Rが270,000円(税別)、資材代の目安はA4 1枚約167円(税込)です。
この記事のもとになった動画
【雑貨屋さん・小売業さん向け】小型DTFプリントシステムでワッペンワークのようなプリントワークが少額で在庫リスクなく簡単にスタートできます(約21分。機種名・価格は動画公開当時のもの。WIP754は現在WIP754Rとして販売)
お店のデザインで、無料サンプルを作ってみませんか
小型DTFの無料サンプルは、お客様ご自身のデザインでも承っています。
東京・大阪・福井のショールームでは実機でのプリントもご覧いただけます。
※本記事の価格は2026年10月時点の情報です。動画内の機種名・価格・資材代は動画公開当時のものです。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


抜ける転写紙
全面プリント転写紙
発泡シート
箔・ラバー・ラメ
トナー・ドラム
DTFインク・フィルム
プレス資材
昇華インク
Type-WLナイロン・薄い生地
Type-Cキャンバスバッグ
Type-Pペイスターで楽に















オーブンプリントマグカップ・食器に
Tattooシール肌に貼れるタトゥー






























