小型DTFでポーチにプリント
布・塩ビ・ビニールなど
9種を試しました
Tシャツのプリントをしている業者様は多くいらっしゃいますが、ポーチやバッグにプリントしている業者様は少ないのが当社の印象です。一方で、ハンドメイドでポーチを作って販売する方は増えていて、オリジナルのポーチを求める声も高まっています。
この記事では、東京ショールームで、当社の小型DTFプリンター(A4機)で作ったフィルムを、布・塩化ビニル樹脂・ビニール・ポリウレタンのポーチとコインケース9種に貼ってみた結果をまとめます。プレス機と家庭用アイロンの使い分け、素材ごとの注意点、そしてポーチのプリントが小ロットの業者様やハンドメイド作家様に向く理由も、動画の内容からご紹介します。同じ系統のバッグ5種へのプリントの記事もあわせてご覧ください。
- 布地のポーチなら、ほとんどプリントできる。コットン・キャンバス・コーデュロイ・ポリエステルは、どれも問題なく転写できました
- プレスの目安は120℃・20秒ほどで、完全に冷ましてから剥がす。マチのあるポーチはプレス機だと潰れて形が崩れるので、家庭用アイロン(低温〜中温)で押したい所だけ押す
- 塩化ビニル樹脂のポーチやコインケースにもフルカラーで刷れた。フィルムを貼った所の境目は、仕上げプレスで分からなくなった
- ビニール(透明なカバー)は熱で溶けやすく、125℃・20秒で多少ダメージが出て、付かない部分もあった。ポリウレタンのコインケースは刷れたが、表面が熱にあまり強くなかった
- 小さいポーチをアイロンで押すと、付かない部分が出やすい。イラストを小さくするなどの工夫が要る
- ネットのポーチプリントは大量生産・シルクが中心。小規模な業者様は「小ロットでフルカラー」を打ち出すとよい、というのが動画の提案です
ポーチのプリントは狙い目?業界の状況
ネットで「ポーチ プリント」と検索すると、オーダーを受け付けている大手の業者様が多く出てきます。調べてみると、ポーチにプリントしたいというニーズはそれなりにあるようです。動画では、その中で見た大手業者様のポーチプリントの特徴を、次の4点にまとめています。

| 特徴 | 動画での見方 |
|---|---|
| ノベルティ向けが多い | 色数が少なく、大量生産のノベルティが中心という印象 |
| 1個から何千個まで受付 | 大量注文にも対応できる体制 |
| 製法はシルクスクリーン・ガーメントプリンターが主 | 売上の柱はシルクスクリーン。生産性と利益の面で有利なため。設備的にはフルカラーもできるが、写真を見る限りフルカラーを前面に出している印象はなかった |
| 無地のポーチも販売 | 在庫や納期はあまり書かれていない印象 |
ネットの大手業者様は、大量生産のシルクが主力で、小ロットには力を入れづらい。そこで動画では、小型DTFでポーチにプリントする小規模な業者様は、その逆を行って「小ロットでポーチにフルカラープリントができます」を打ち出すとよい、と提案しています。以前の軍手へのプリントと同じ考え方です。
無地のポーチはどこで仕入れる?
Tシャツは仕入れられても、ポーチの仕入れ先が分からないという方もいらっしゃると思います。動画では、「無地 ポーチ」で検索すれば、仕入れ先はネットで簡単に分かるとしています。ポーチが仕入れられないから販売できない、という時代ではありません。
動画の肌感覚では、ポーチのプリントをしていないTシャツプリント業者様のほうが圧倒的に多いそうです。オリジナルのポーチを求めるニーズは高まっているのに、ライバルはTシャツに比べて少ない。Tシャツ以外のグッズを探している業者様には、ポーチがおすすめです。もし大量注文が入っても、頼れる外注先はすでにいくつもありますし、シルクの設備をお持ちなら自社で対応できます。
自分のポーチを作って売りたい方へ
ECモールやハンドメイドの販売サイトでは、自分でポーチを作って販売している方がとても多くいらっしゃいます。動画撮影時に、ハンドメイドの販売サイト(minne・Creema)でポーチを検索すると、それぞれ10万件を超える結果が出てきました。デザインフェスタなどのイベントでも、ポーチなどの小物を販売している方を多く見かけます。
ところが、Tシャツのようにオリジナルのイラストや文字をプリントしたポーチは、あまり見かけません。動画では、ここがチャンスだと話しています。プリントしたポーチが欲しい人は、プリントTシャツが欲しい人と同じくらいいるのでは、という見方です。
自分で作ったポーチにメッセージやロゴをプリントすれば、ブランド化ができ、独自性のある商品になります。テロップでは「今までは100万超のプリント機器でしか対応できなかったが、27万円のWIPプリンタで対応できるようになった」としています(価格は動画撮影時)。
作り方の流れと、DTFの特徴
小型DTFでのプリントは、次の流れで進めます。今回の動画では、フィルムを作るところまでは済ませておき、フィルムをポーチに貼る工程を実演しています。
- 小型DTFプリンターで、フィルムに印刷する
- パウダリングケースで、フィルムにパウダーをつける
- ホットプレートで焼く(動画では3分ほど)
- 熱プレス機または家庭用アイロンで、ポーチにプレスする
- 冷めてからフィルムを剥がして完成

パウダーをつけて焼いたあとのフィルムは、長い間保管できます。まとめてフィルムを作っておき、注文が入ったらポーチに貼る、という使い方もできます。各工程の詳しいやり方はDTFのパウダーとベイキング完全ガイドにまとめています。
動画では、白トナーと比べた小型DTFの特徴も整理しています。白トナーに比べて生産性とメンテナンスの面では少し劣るものの、プリントできる繊維の幅が広く、軍手や革などにもプリントできます。今回のポーチのような素材への仕上がりもきれいです。
プレス機とアイロンの使い分け
平らなポーチはプレス機で120℃・20秒ほど
平らなポーチは、熱プレス機で120℃ほど・20秒ほどプレスし、完全に冷めてから剥がします。動画では、下敷きを使うと、よりしっかりプレスできると話しています。

マチのあるポーチは家庭用アイロンで
注意したいのが、底にマチ(厚み)があるポーチです。プレス機でプレスすると、ガーンと潰されて形が崩れてしまいます。こういうポーチは、家庭用アイロンでフィルムを置いた所だけをピンポイントで押します。こうすれば、底のマチは崩れません。
家庭用アイロンの温度は、テロップでは「低温〜中温で」。動画では、だいたい120℃くらいで、20秒ほどプレスして完全に冷ましてください、と話しています。プレス機がない方も、家庭用アイロンで大丈夫です。

※アイロンの目盛りと実際の温度は機種によって違います。アイロンでのDTFのプレスは押していない部分が残りやすいので、剥がすときに付いているかを確かめてください。温度による違いはDTFのプレス温度の検証で解説しています。
布のポーチ(コットン・コーデュロイ・ポリエステル)
まずは布のポーチです。結論から言うと、布地のポーチは、どれも問題なくプリントできました。
コーデュロイ:少し起毛していても大丈夫
コーデュロイのポーチは、表面が少し起毛しているのが特徴です。いちごのデザインを貼ったところ、きれいにプリントできました。

薄手のコットン:フィルムを貼った所だけがプリントに
通販で購入した、薄いコットン生地の黒いポーチです。熱プレス機でプレスして剥がすと、イラストの部分だけがきれいにプリントされました。黒い生地でも、イラストの色が沈まずに出ています。

キャンバス(綿):問題なし
綿のキャンバス生地のポーチも、問題なくプリントできました。花のイラストのような、細かい部分のあるデザインでも簡単です。

ポリエステル:メッシュ付きのケースにも
表面がポリエステルの、メッシュのポケットが付いたケースにもプリントしてみました。ポーチというよりケースですが、パンダのイラストがきれいに付いています。

ビニール・樹脂のポーチとコインケース
次は、表面がビニールや樹脂のポーチです。布と違って熱に弱い素材なので、結果が分かれました。
塩化ビニル樹脂のポーチ:仕上げプレスで境目が消える
ベージュのポーチは、表面が塩化ビニル樹脂です。熱プレス機で120℃・20秒ほどプレスし、剥がすと、きれいにプリントできました。
剥がした直後は、フィルムを貼った場所と貼っていない場所の境目が見えます。最後に全体を仕上げプレスすると、この境目は分からなくなりました。オリジナルのデザインを、フルカラーでこのようにプリントできます。

透明なビニールカバー:熱で多少ダメージ
透明なビニールカバーのポーチには、125℃・20秒でプレスしました。熱で多少ダメージがあり、剥がすと付いている所と付いていない所が少し出ました。
ビニールは基本的に熱で溶けやすいので、扱いづらい素材です。ただ動画では、プレスの仕方を工夫していけば付けられそうな気もする、ビニールポーチのオリジナルプリントもできるのでは、と話しています。

小さい塩化ビニル樹脂のポーチ:アイロンだと付かない部分が出た
表面が塩化ビニル樹脂の、とても小さいポーチは、家庭用アイロンでプレスしました。剥がすと、下のほうは付いているのに、上のほうは付いていない部分が出てしまいました。原因は、アイロンの当て方と圧力のかけ方です。
このくらい小さいポーチになると、アイロンをかけるのが難しくなります。イラストをもう少し小さくするなど、工夫が必要です。小さいポーチには、イラストの大きさとアイロンのかけ方を重点に考えてください。

コインケース:塩ビは良好、ポリウレタンは表面に注意
番外編として、コインケース2種にもプリントしました。1つ目は100円ショップで販売しているピンクのコインケースで、素材は同じく塩化ビニル樹脂です。こちらはいい感じにプリントでき、オリジナルのデザインをフルカラーで付けられました。
2つ目のグレーの二つ折りコインケースは、素材がポリウレタンです。プリントはできましたが、表面が少し荒れたような仕上がりになりました。表面の膜が熱で溶けるような感じで、熱にはあまり強くない素材です。素材によっては、ちゃんとプリントできないこともあります。

素材別の結果まとめ
動画の結果を素材ごとに整理しました。布地はほぼ問題なし、ビニール・樹脂系は熱との相性次第です。
| ポーチ・小物 | 素材 | プレス方法 | 結果 |
|---|---|---|---|
| ベージュのポーチ | 塩化ビニル樹脂 | 熱プレス機 120℃・20秒ほど | きれいに付いた。境目は仕上げプレスで消えた |
| 紺のポーチ | コーデュロイ | ― | 起毛した生地でもきれいに付いた |
| 黒のポーチ(通販で購入) | 薄手のコットン | 熱プレス機 | イラスト部分だけがきれいに付いた |
| 白のポーチ | 綿のキャンバス | ― | 問題なし |
| メッシュ付きのケース | ポリエステル(表面) | ― | きれいに付いた |
| 透明なポーチ | ビニール | 125℃・20秒 | 熱で多少ダメージ。付かない部分が少し出た |
| 水色の小さいポーチ | 塩化ビニル樹脂 | 家庭用アイロン | 上のほうに付かない部分が出た。イラストを小さくするなどの工夫が要る |
| ピンクのコインケース(100円ショップ) | 塩化ビニル樹脂 | ― | いい感じに付いた |
| グレーの二つ折りコインケース | ポリウレタン | ― | 付いたが、表面が少し荒れた。熱にあまり強くない |
※「―」は動画でプレスの方法や条件を個別に説明していないものです。全体の目安は120℃・20秒ほどで、マチのあるものは家庭用アイロン(低温〜中温)です。ポーチの素材や厚み、プレス機やアイロンの個体差で最適な条件は変わります。本番の前に、同じポーチでテストしてください。
いくらで始められるか
動画では、ポーチ柄のプリントといえばエンボス加工、フルカラーとなるとUVプリンターなどになり、UVプリンターは100万円、300万円、それ以上と、個人の方が手を出しづらい価格帯だと説明しています。それに対して、小型DTFのA4機は動画撮影時で27万円(税別)でした。
| 項目 | 動画撮影時 | 2026年10月時点 |
|---|---|---|
| 小型DTFプリンター(A4機) | 27万円(税別) | WIP754R 270,000円(税別) |
| 小型DTFプリンター(A3機) | ― | WIP A3 350,000円(税別)。2026年7月からプリンターの販売を見合わせ |
| そのほかに必要なもの | 熱プレス機または家庭用アイロン、ホットプレート | 熱プレス機とWindowsパソコンが必要。パウダーを溶かすためのホットプレートまたは専用オーブンもあると作業がスムーズ(製品ページ) |
※価格は小型DTFの製品ページの2026年10月時点の表示です。動画の価格・機種名は動画公開当時のものです。
向かないケース・注意点
よくある質問
- 小型DTFでどんなポーチにプリントできますか?
- 動画では、コットン・キャンバス・コーデュロイ・ポリエステルの布のポーチ、塩化ビニル樹脂のポーチ、透明なビニールのポーチ、塩化ビニル樹脂とポリウレタンのコインケースの9種にプリントしました。布地のポーチはほとんど問題なくプリントできました。ビニールやポリウレタンは熱でダメージが出ることがあります。
- ポーチにプレスする温度と時間は?
- 動画では、熱プレス機で120℃・20秒ほどプレスし、完全に冷めてから剥がしています。透明なビニールのポーチは125℃・20秒でした。家庭用アイロンの場合は低温〜中温(動画では120℃くらい)で20秒ほどです。
- マチのあるポーチはどうプレスしますか?
- マチのあるポーチを熱プレス機でプレスすると、潰されて形が崩れてしまいます。家庭用アイロンで、フィルムを置いた所だけをピンポイントで押すと、底のマチを崩さずにプリントできます。
- ビニールやポリウレタンのポーチ・小物にもプリントできますか?
- 塩化ビニル樹脂のポーチとコインケースはきれいにプリントできました。透明なビニールは熱で多少ダメージがあり、付かない部分も出ました。ポリウレタンのコインケースはプリントできましたが、表面が少し荒れました。熱をかけてどうなるかを、事前に同じ素材で試してください。
- 無地のポーチはどこで仕入れればいいですか?
- 動画では、「無地 ポーチ」とネットで検索すれば仕入れ先は簡単に分かると紹介しています。今回の動画でも、通販で購入したコットンのポーチや、100円ショップで販売しているコインケースを使っています。
- いくらで始められますか?
- 動画撮影時は、小型DTFプリンターのA4機が27万円(税別)でした。2026年10月時点では、A4機のWIP754Rが270,000円(税別)で、これに熱プレス機(またはアイロン)とWindowsパソコンが必要です。A3機は2026年7月からプリンターの販売を見合わせています。
この記事のもとになった動画
【DTF】ポーチにオリジナルデザインをプリントする方法 DTFプリント講座(約14分。機種名・価格は動画公開当時のもの。A4機は現在WIP754Rとして販売)
※公開日は確認できなかったため、動画公開当時の内容として記載しています。
お手持ちのポーチで、
DTFの仕上がりを試しませんか
小型DTFの印刷フィルムを無料サンプルでお送りしています。プリントしたいポーチに貼って、感覚をつかんでください。
東京・大阪・福井のショールームでは、実機でのプリントもご覧いただけます。
※本記事の価格は2026年10月時点の情報です。動画内の機種名・価格・プレス条件は動画公開当時のものです。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


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