革10種類に
フルカラー転写。
結果は5勝5敗
木材への転写に続いて、白トナープリンタと抜ける転写紙Type-Cで、革にどこまで転写できるかを試しました。浅草の君塚商店様のご協力で約10種類の革を仕入れ、同じデザインを転写して、剥がした結果を比べています。
結果は5勝5敗。きれいに付いた革もあれば、まったく付かなかった革もありました。どの革がうまくいったのか、転写の条件、再トライで分かったこと、そして「革は種類より表面の加工と糊の相性で決まる」という注意点までまとめます。
- 白トナー+Type-Cで、革にも白を含むフルカラーで転写できるものがある。ただし動画の結果は5勝5敗
- うまくいったのはヌメ・牛革スムース・馬革・バッグ用のようなふわっとした革。ヤギスウェードもある程度定着
- 付かなかったのはヤギスムース・エナメル・加工された革(種類不明)。牛革クローム・トカゲ・床ベロアは「△」
- 転写条件は110℃・15秒、ヒートバリアマット+シリコン紙、圧力は強くなくてよい。完全に冷めてから剥がす
- △の革は、プレス時間を20秒に延ばし、大きいイラスト・太い文字にすると良くなるものがあった
- 同じ「牛革スムース」でも加工はそれぞれ違う。まずテストプリント、良ければその革を安定して仕入れられるかを確認
※革については革のプロの方に監修いただきましたが、誤りがある可能性があります。動画内での各種革へのプリントの実証は、あくまで参考程度にご覧ください(動画冒頭の注記より)。
革を仕入れる(浅草・君塚商店様)
実験に使う革は、浅草にある君塚商店様のご協力で仕入れました。入口には大きめの革が300円で並んでいて、店内には数えきれないほどの種類の革があります。浅草は革の本場で、比較的求めやすい価格で手に入るそうです。これから革へのプリントを考えている方には、親切に教えていただけるお店です。

東京ショールームに持ち帰ったのが、この約10種類の革です。色も厚みも手触りもばらばらで、同じ条件で転写したときに違いが出るかを確かめます。

Type-Cのマークの作り方
まずは抜ける転写紙Type-Cで、革に転写するマークを作ります。白トナープリンタでMPシートに印刷し、糊のシート(プラスターシート)と合わせてプレス機でプレスします。動画では130℃・30秒、念のため表と裏の両面をプレスしました(印刷面を上にして、圧力は強め)。

プレス機の台の上で熱いうちに剥がすと、印刷した部分だけに糊が付きます。カッティングやカス取りはいらず、細かい部分まで表現できます。
※糊付けの温度・時間は、現在は商品付属の説明書に従ってください。マーク作りにはプレス機が必要です(家庭用アイロンでは不可)。
革に転写する条件
作ったマークを革に当てて、すべての革を同じ条件で転写しました。木材のときと同じく、布地よりも温度を下げています。
| 項目 | 動画の条件 |
|---|---|
| 敷くもの | ヒートバリアマット+シリコン紙 |
| 温度・時間 | 約110℃・15秒 |
| 圧力 | それほど強くなくても大丈夫 |
| 剥がし方 | 完全に冷めてから剥がす |

革10種類の結果一覧
同じ条件で転写して、冷めてから剥がした結果です。評価(○・△・×)は動画のテロップのとおりです。

| No. | 革の種類 | 動画での説明 | 結果 |
|---|---|---|---|
| ① | ヌメ | 固めの革。キーケースなどに使われる。一部付かない所はあったが、大きくきれいに付いた | ○ 比較的良好 |
| ② | 牛革スムース | きれいに付いた | ○ 良好 |
| ③ | 牛革(クローム鞣し) | あまり付かなかった | △ ほとんど定着せず |
| ④ | ヤギ スムース | まったく付かなかった | × 全く定着せず |
| ⑤ | ヤギ スウェード | 少し残る部分がある。圧力を強くすれば改善されるかもしれない | ○△ ある程度定着 |
| ⑥ | エナメル(黄色) | 予想どおり、まったく付かない | × 全然定着せず |
| ⑦ | トカゲ | 付いていない部分がある | △ ある程度定着 |
| ⑧ | 馬革 | ランドセルに使われているような革。糊残りもほとんどなく、きれいに付いた | ○ 比較的良好 |
| ⑨ | 床ベロア(銀なし) | 付いたり、付かなかったり | △ ある程度定着 |
| ⑩ | 種類不明(加工された革) | よく見かけるタイプの加工された革。付いたり、付いていなかったり | × 殆ど定着せず |
| ⑪ | 種類不明(ふわっとした革) | バッグに使われているような、ふわっとした革。比較的付いた | ○ 比較的良好 |



△の革に再トライ
うまく付かなかった革のいくつかに、プレス時間を15秒から20秒に延ばして、デザインも変えて再トライしました。
- ⑩加工された革(茶色):最初の細かい柄は付かなかったが、20秒・太い文字(巣鴨)ではきれいに付いた
- ③牛革クローム:最初はほとんど付かなかったが、大きいイラストにすると比較的良好に付いた
- ⑨床ベロア(茶色):大きめのイラストで再トライ。細かい部分には課題が残り、イラストをもう少し大きくすればできそう、という感触だった


デザインを変えることで良くなる革もある、というのが当社の印象です。Type-Cは商品ページでも「Type-Wと比べて『抜き』が少し甘いため、細かくツンツンしたデザインや小さい文字などには不向き」としており、革でも同じ傾向が見られました。
革は「加工と糊の相性」で決まる
今回、革にプリントしてみたきっかけは、100円均一で買った合皮の小物に、比較的きれいにプリントできたことでした。それならいろいろな革にもできるのでは、と考えたのが始まりです。

結果を見ると、何も加工していないヌメは比較的きれいに付きました。一方で、表面に何らかの加工がされている革は、その加工と転写紙の糊の相性で付く・付かないが決まります。木材でコーティングされたお盆に付かなかったのと同じです。
注意したいのは、「牛革スムースでできたから、ほかの牛革スムースでもできる」とは限らないことです。加工方法は革ごとに違うので、ある牛革スムースでできても、別の牛革スムースでできないことは普通にあります。同じ牛革でも、イラストの違いで付きやすくなったものもありました。

革で商品を作るなら、まず使いたい革でテストプリントをすること。うまくいったら、次はその革を安定して仕入れられるか、供給してもらえるかが大事になります。
向かないケースと注意点
動画の結果は5勝5敗で、「凄いぜ!Type-C」と言えるほどではなかった、というのが正直なところです。革へのプリントを考えている方は、次の点に注意してください。
革は1枚ごとの個体差もあり、同じ名前の革でも結果が変わります。本番の前に、同じ革の端切れでテストしてから使うのがおすすめです。Type-Cは、A4のお試し5枚セットから購入できます。
※当社は白トナープリンタと抜ける転写紙のメーカーで、革の専門家ではありません。革の種類の名前は動画内の表記のとおりです。
よくある質問
- 革に白トナーでフルカラープリントできますか?
- できる革と、できない革があります。当社が白トナープリンタと抜ける転写紙Type-Cで約10種類の革に転写した結果は「5勝5敗」でした。ヌメ・牛革スムース・馬革などはきれいに付きましたが、ヤギスムースやエナメルはまったく付きませんでした。
- どの革がうまくいきましたか?
- 動画の実演では、ヌメ(比較的良好)、牛革スムース(良好)、馬革(比較的良好)、バッグに使われるようなふわっとした革(種類不明・比較的良好)がうまくいきました。ヤギスウェードもある程度定着しました。牛革クローム・トカゲ・床ベロアは一部だけ付く「△」、ヤギスムース・エナメル・加工された革(種類不明)は付きませんでした。
- 革に転写するときの条件は?
- 動画撮影時(2020年)の実演では、Type-Cで作ったマークを革に当て、ヒートバリアマットとシリコン紙を敷いて約110℃・15秒でプレスしました。圧力はそれほど強くなくても大丈夫です。完全に冷めてから剥がします。
- うまく付かなかった革は、どうすれば良いですか?
- 動画では、△の革に対してプレス時間を15秒から20秒に延ばし、大きいイラストや太い文字で再トライしたところ、比較的きれいに付いたものがありました。細かい柄より、大きめのデザインのほうが付きやすい傾向です。それでも付かない場合は、その革の加工と転写紙の糊の相性が合わないと考えて、別の革を選んでください。
- 同じ種類の革なら、同じように転写できますか?
- そうとは限りません。同じ「牛革スムース」でも、革ごとに表面の加工方法が違い、その加工と転写紙の糊の相性で付く・付かないが決まります。ある牛革スムースでうまくいっても、別の牛革スムースで付かないことはあります。まず使う革でテストし、良ければその革を安定して仕入れられるかを確認してください。
- 合皮(合成皮革)にも転写できますか?
- 今回の実験のきっかけは、100円均一で買った合皮の小物にきれいにプリントできたことでした。ただし、革と同じく素材の表面処理はさまざまなので、合皮でも必ずテストしてから使ってください。
この記事のもとになった動画
【転写ダイジェスト】革10種にフルカラー転写してみました 業者様向け白トナープリント講座 凄いぜ!抜ける転写紙Type-C(2020年11月公開。転写の条件・仕様は当時のもの)
お手持ちの革で、まずテストしてみませんか
抜ける転写紙Type-Cは、A4お試し5枚セット(2,475円・税込)からお試しいただけます。
白トナーの無償サンプル、東京・大阪・福井でのデモ体験も受け付けています。
※本記事の価格は2026年10月時点の情報です。転写の条件と結果は動画公開時(2020年11月)の実演のものです。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


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