網点で、
ビンテージ風Tシャツを作る。
無料ツールとRIPの設定だけでできる
色の濃さを小さな点(ドット)の大きさで表す網点(あみてん)のプリントは、シルクスクリーンで刷ったような、古着らしい風合いになります。1色の網点はシルクスクリーンでよく行われますが、フルカラーの網点はシルクスクリーンではなかなか難しい表現です。白トナープリントなら、それがデータの工夫だけでできます。
この記事では、当社のYouTube動画4本をもとに、無料の網点変換ツールで画像を網点にする方法、白トナープリンタのRIPソフトの網点設定(8種類の形)、白トナーでの刷り方、そしてビンテージ風(古着風)に見せるボディとデザインのコツまで、まとめて紹介します。
- 網点にする方法は2つ。①ブラウザで使える無料の網点変換ツールで画像を網点データにする(2026年7月から誰でも利用可)。②白トナープリンタのRIPソフトの網点設定で、JPEGを取り込んで設定を変えて印刷するだけ
- 網点は写真よりイラストと相性が良い。写真は細かくすると色が飛ぶ。1色の網点にするとシルクスクリーンのような見た目になる
- 細かすぎる網点は転写しにくい。網点変換ツールでフルカラーなら細かさ20が基本、点は1mm以上が転写しやすく、0.5mm程度は最低限(動画の説明)
- 古着風に見せるには、ピグメント加工などのボディを選び、デザインを不透明度50%で薄くしたり、ひび割れ風の模様を重ねたりする
- 網点は紙・白トナー・DTF・昇華などのプリントに使えるが、刺繍・カッティング・プリント&カットには向かない
網点プリントとビンテージ風Tシャツ
網点は、色の濃さを点の大きさで表す、印刷でおなじみのしくみです。Tシャツに網点でプリントすると、近くで見たときに点々が見え、仕上がりが独特で、風合いも柔らかく見えます。当社にも網点プリントのご要望があり、白トナープリントでの方法を紹介してきました。

ビンテージTシャツとは
動画では、ChatGPTで調べた一般的な定義として、ビンテージTシャツを「過去に作られた、希少価値のあるTシャツ」と紹介しています。目安は20年以上前(1990年代以前)に作られたもので、映画・音楽・企業・イベントなど当時の文化を反映したデザイン(ロックTシャツや企業ロゴなど)、シングルステッチやアメリカ製のコットン、タグの違いなどが特徴です。価値のあるものは1枚100万円を超えることもあります。
新品のTシャツはもちろんビンテージではありませんが、それっぽい仕上がりのTシャツを着たい、作って売りたいという方は多くいらっしゃいます。20年以上前のTシャツは、色あせたり、プリントがひび割れたりしているのが自然です。網点や薄いデザインは、その雰囲気を新品で出すための工夫です。
無料の網点変換ツールの使い方
網点変換ツールは、当社が作ったWebのデザインツールの一つで、ブラウザ上で画像を網点に変換できます。以前は当社のプリントシステムを導入いただいたお客様限定でご案内していましたが、多くの方に使っていただきたいと考え、2026年7月から誰でも使えるようにしました。現在はデザインツールのページで、無料のツールとして公開しています。

| 手順 | すること |
|---|---|
| 1. 画像を読み込む | 「画像を選択」に画像をドラッグ&ドロップ(JPG/PNG/GIF/WebP) |
| 2. プリセットを選ぶ | 機種に合わせて「WTRIP」「小型DTF」「転写紙」から選ぶ。網点の細かさやインク量が自動で入る |
| 3. 網点の種類・細かさを決める | 形(なし・丸・角・菱・線)、細かさ(LPI)、カラーモード(CMYK4色/単色)などを調整し、プレビューで確かめる |
| 4. 保存する | 「JPEGで保存」か「PDFで保存」。PDFは合成画像に加えて、C・M・Y・K(と白版)の各版を1ページずつ収める |
| プリセット | 想定する機種 | 色の構成 | 網点の細かさ(LPI) | 白版 |
|---|---|---|---|---|
| WTRIP | 白トナー機(WTRIP835など) | CMY+白 | 30 | あり |
| 小型DTF | 家庭〜業務用の小型DTF | CMYK+白 | 35 | あり |
| 転写紙 | 汎用の転写紙(レーザー系) | CMYK | 20 | なし |
※プリセットの値は2026年10月時点のツールの説明ページによります。スライダーを動かすと自動で「カスタム」に切り替わります。
各項目のタイトルの横にある「?」マークを押すと、その設定の意味が詳しく書かれた説明が開きます。分からない設定は、ここを見ると理解が早まります。動画では、写真の場合はWTRIP設定だと色の表現が少しぶれるので、CMYK設定が無難(ただし基本は好み)と紹介しています。保存形式は、RIPソフトに取り込むならPDFがよいのでは、というのが動画での感想です。
- 処理はすべてブラウザ内で行われ、画像がサーバーに送られることはありません。
- 作業内容は保存されません。仕上がったら必ずJPEGかPDFで書き出してから閉じてください。
- 細かいスライダー操作が多いので、マウスのあるパソコンでの利用がおすすめです。PDF書き出しのためにインターネット接続が必要です。
細かさの決め方と、写真・イラストの向き不向き
動画では、猫の写真とイラストを読み込んで、設定による違いを確かめています。網点の細かさを58まで上げると、写真は色が飛んで刷るのが難しそうな状態になり、13まで下げると粗い網点になりました。写真は色が多いので、細かくしすぎると色が飛ぶというのがこのツールの仕様です。写真に合う細かさは、ご自身で探してみてください。

当社が個人的にいちばんおすすめしているのはイラストです。写真に比べて網点がきれいにまとまります。ただしイラストでも、4色のまま網点を細かくしすぎると色味が変わってしまうので、細かさは微調整にとどめるのがおすすめです。網点は、フルカラーより単色(1色)のほうがまとまりが良い気がする、というのが動画での感想で、単色にするとシルクスクリーンのような見た目になります。
| 設定 | 動画で分かったこと |
|---|---|
| 網点の細かさ | フルカラーでは20を基本に。画面の「セルサイズ」が0.37mmになる細かさでは、転写は難しい |
| 点の大きさの目安 | 説明上は1mm以上が転写可能で、0.5mm程度は最低限ほしい。細かくしすぎると転写が難しくなる |
| 網点の角度 | 角度を変えると風合いが変わる。ツールの説明では、4色の角度(C15° M75° Y0° K45°)は色ムラを防ぐ定番値なので、理由がなければ変えないのがおすすめ |
| チャンネル濃度 | 初期値100。40〜50に下げると薄くなる。濃度の濃淡で仕上がりの風合いが変わる |
| 背景 | 背景を消しておくと、よりプリントに向いた網点画像になる |

白トナーのRIPソフトで網点にする(8種類の形)
もう一つの方法は、当社の白トナープリンタに付いているRIPソフトPrinterStationの網点設定を使う方法です。Photoshopなどでデータをいじらず、JPEGデータをそのまま取り込み、設定を変えて印刷するだけで網点プリントができます。RIPソフトの基本は国産RIPソフトの特長で紹介しています。

線数で点の大きさが変わる
「スクリーン線数」を変えると、網点の大きさが変わります。線数10では点がいちばん大きく、15、20、40と上げるほど点は細かくなり、40では近づかないと分からないほど微細になります。動画では、網点をしっかり見せたいなら線数10〜15、わずかに効かせるなら20〜40を目安として紹介しています。

網点の形は8種類
| 形 | 特徴(動画の説明) |
|---|---|
| Euclidean(ユークリッド) | 白い丸い網点ができる。網点の中では使いやすく、当社が個人的に気に入っている設定 |
| Round(ラウンド) | イラストの色のほうが丸い網点になる(Euclideanと逆) |
| Elliptical 1・2 | 楕円の白い網点がつながる。2は楕円がより直線に近い形でつながる |
| Line・Line90 | 直線の網点。2つの違いは線の角度 |
| Square 1・2 | 1は白が四角になる。2はイラストの色が四角になり、外枠線が白くなる |

※PrinterStationは当社の白トナープリンタ(WTRIPシリーズ)専用のRIPソフトで、Windows専用です。ほかのプリンターでは使えません。
白トナーで刷る:糊付けと転写
網点にしたデータは、いつもの白トナープリントと同じ手順で刷ります。RIPソフトの印刷ボタンを押して抜ける転写紙(Type-W)に印刷し、プラスターシートと合わせてプレスして糊を付け、剥がします。カッティングやカス取りのいらないトリミングで、細かい網点にも糊が付きます。

| 工程 | 動画撮影時の実演 | 2026年10月時点の案内 |
|---|---|---|
| 糊付け(Type-W) | 約130℃・30秒・表裏(ラミネーターなし) | 135℃・強圧。A4は表裏20〜30秒。温度は変更しない |
| 生地への転写 | 130℃で20〜40秒ほど。綿の場合は事前にプレス。冷めてから剥がし、仕上げプレス | 商品ページの例:135℃30秒プレス→シリコン紙で135℃30秒の仕上げプレス |
動画では、転写の温度が低いので、ポリエステルでも再昇華(ブリード)はほとんどないと説明しています。綿・ポリエステル・ナイロンにプリントでき、スウェットのプリントにも映えます。また、RIPの網点設定の動画では、線数を20台にすれば転写も容易と紹介しています。一方で、あまりにも細い表現は注意が必要で、微細な網点では作業に少し苦戦した場面もありました。
※動画(RIPの網点設定の2本)では130℃で実演していますが、現在のType-Wの商品ページでは「温度は変更しないでください」と案内しています。説明書と商品ページの条件に従ってください。転写紙の価格は動画撮影時「A4・2枚セットで300円(100枚購入時)」と紹介しています。2026年10月時点のWTRIP835の商品ページでは、A4の1枚あたり約374円(転写紙代341円+印刷代33円)を目安としています。
古着風に見せるボディとデザイン
まずボディ選びが大事
ビンテージ風Tシャツを作るには、何よりもボディ(Tシャツ)選びが大事です。一般的な定番のTシャツでは古い感じが出ません。ピグメント加工など、古着感が出るクタッとしたTシャツを選んでください。動画では、手軽に買える型番Tシャツとして、ボンマックスのMS1170を使っています(動画のTシャツはXL)。もちろん生地はコットンです。

デザインは「薄く」「ひび割れ風に」
20年以上前のTシャツは、プリントがひび割れていたり、薄くなっていたりするのが自然です。動画で用意したデザインは、そのままでは発色が濃すぎました。そこで次の工夫をしています。
- 不透明度を50%にする:IllustratorやPhotoshopで、デザイン全体の不透明度を100%から50%にしただけで、ずっと着てクタッとした感じに近づきました。何%にするかはご自身で試してみてください。
- ひび割れ感を出す:生地の色に近い色を、砂のような模様で上から散らして重ねます。
- 網点模様にするのも効果的かもしれません。

この動画では、糊がタイプWより若干薄い抜ける転写紙タイプWLを選びました。わずかに発色が薄くなるので、ビンテージ風に合うと考えたからです。ラミネーターに通してから135℃30秒・表裏でプレスして糊を付け、Tシャツには135℃で20〜30秒ほどプレスし、完全に冷めてから剥がしました。
白トナーとDTFで刷り比べ
同じピグメントTシャツの正面に白トナー、背中にDTFで、薄くしたデザインをプリントして比べました。DTFも白インクを薄めに出す設定にしています。

白トナーは、データを薄くしたことで、発色のギャップが少なく、古着風のTシャツになりました。DTFは、色の上に白インクが乗るため、薄い色のところで白さが強く出て、全体が白っぽくなりました。白っぽさにも味わいはありますが、出力時の白インクの量をもっと減らす必要があり、不透明度50%もやりすぎだったかもしれない、というのが動画での振り返りです。

ビンテージ風の仕上がりは、シルクスクリーンかガーメントプリンターでないと難しいと思われがちですが、素材とイラストを工夫すれば、オンデマンドのプリント機器でも安定して作れるというのが当社の実感です。さらにTシャツを洗うなどして傷めると、より古着感が出せるかもしれません。
向かないケースと注意点
| 網点変換ツールの動画での分類 | |
|---|---|
| 網点化して使える | 紙の印刷(ポスターなど)/転写プリント(白トナー、パウダープリント、インクジェットプリント、DTF、DTG、昇華プリント) |
| 網点化して対応が難しい | 刺繍、カッティング、プリント&カット(網点の細かい輪郭を切り出すのが難しいため) |
- 写真は網点に向きにくい:色が多く、細かくすると色が飛びます。イラストやロゴのほうがまとまります。
- 近くで見ないと分かりにくい:網点は近づくと点々が見えますが、離れるとベタのプリントと同じように見えることがあります。また、黒い生地と白い生地では表現が大きく変わります。
- 「網点にしてほしい」という注文は少ない:動画では、受注型のプリント業者様がお客様から「網点にしてくれ」と頼まれることは少ない気がする、と話しています。「こういう風合いにもできますよ」と業者様から提案していく使い方が中心です(オリジナルTシャツを販売する方は別です)。
- DTFは白が強く出やすい:薄いデザインでは白インクの量を減らすなど、データと出力の調整が必要です。
- 網点変換ツールは作業内容を保存できません。RIPの網点設定は、当社の白トナープリンタのRIPソフト(Windows専用)の機能です。
よくある質問
- 網点変換ツールは、誰でも無料で使えますか?
- はい。以前は当社のプリントシステムを導入いただいたお客様限定でご案内していましたが、2026年7月から誰でも使えるようにしました。現在はデザインツールのページで、無料のツールとして公開しています。ブラウザだけで使えてインストールは不要で、画像はサーバーに送られません。
- 白トナープリンタで使うときは、どのプリセットを選べばいいですか?
- ツールには「WTRIP(CMY+白・白版あり)」「小型DTF」「転写紙」の3つのプリセットがあります。ただし動画では、写真の場合はWTRIP設定だと色の表現が少しぶれるので、CMYKの設定が無難(最終的には好み)と紹介しています。迷ったら、ツールの案内どおり「転写紙」から試すのも一つの方法です。
- 網点の細かさは、どのくらいにすればいいですか?
- 網点変換ツールでフルカラーにする場合、動画では網点の細かさ「20」を基本にするよう案内しています。点が細かすぎると転写が難しくなり、説明上は1mm以上の点が転写でき、0.5mm程度は最低限ほしい、としています。RIPソフトの網点設定では、網点をしっかり見せたいなら線数10〜15、わずかに効かせるなら20〜40が目安です。
- 写真とイラスト、どちらが網点に向いていますか?
- 動画ではイラストのほうが相性が良いと紹介しています。写真は色が多いので、網点を細かくすると色が飛んでしまいます。イラストでも4色で細かくしすぎると色味が変わるので、細かさは微調整にとどめるのがおすすめです。1色(単色)の網点にすると、シルクスクリーンのような見た目になります。
- データを編集しなくても、網点プリントはできますか?
- 当社の白トナープリンタのRIPソフト(PrinterStation)なら、JPEGなどのデータをそのまま取り込み、網点の設定を変えて印刷するだけで網点プリントができます。網点の形は8種類から選べ、線数で点の大きさも変えられます。
- ビンテージ風(古着風)に見せるコツは?
- 動画では、まずボディ選びが大事で、ピグメント加工など古着感の出るTシャツを選ぶこと、デザインはIllustratorやPhotoshopで不透明度を50%にして薄くすること、生地の色に近い色を砂のように散らしてひび割れ感を出すことを紹介しています。網点にするのも効果的です。
この記事のもとになった動画
【新開発③】網点変換ソフトの使い方とプリントの仕上がりについて 業者様向けTシャツプリント講座(2026年7月ごろ公開。網点変換ツールを誰でも使えるようにした時期の動画)
【古着風】オリジナルのビンテージ風Tシャツを簡単に作れる動画 業者様向けTシャツプリント講座(動画公開当時の内容。価格は当時のもの)
【網点加工・網点印刷】フルカラーでTシャツに8種類の網点プリントする方法を説明します 業者様向け白トナープリント講座(動画公開当時の内容。プレス条件・価格は当時のもの)
【網点】フルカラーのビンテージ風Tシャツの作り方 業者様向け白トナープリント講座(動画公開当時の内容。プレス条件・価格は当時のもの)
まずは手持ちのイラストを、網点にしてみませんか
網点変換ツールは無料・インストール不要で使えます。網点プリントの仕上がりは、
東京・大阪・福井のショールームや無料サンプルで確かめられます(完全無料・要予約)。
※網点変換ツールのプリセット・対応ファイル・注意点は2026年10月時点のツール説明ページの情報です。プレス条件・価格は動画撮影時のもので、現在の条件は各商品ページと説明書をご確認ください。白トナープリンタは動画で「35万円(税別)」と紹介していますが、2026年10月時点のWTRIP835の本体価格は390,000円(税別)です。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


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