ロンTへのプリント方法と
袖の注意点
大きさ・位置・折り目のあつかい
少し肌寒くなると、ロンT(長袖Tシャツ)のシーズンです。ロンTは昔から好きな方がずっと着ている定番のアイテムで、最近は若い方のファッションとしても人気があります。夏場以外にもアピールできる商品として、ウェアプリント業の方にぜひ押さえてほしいアイテムです。
前身頃へのプリントは、基本的に半袖のTシャツと同じです。ロンTならではなのは長い袖。この記事では、白トナープリンターと抜ける転写紙タイプWでロンTにプリントした動画をもとに、前身頃のシワ対策、袖にプリントできる大きさ、ずれない仮止めの方法、着たときにきれいに見える位置と袖の折り目ののばし方までをまとめました。
- 前身頃はTシャツと同じ手順。ただしロンTは重さで下に引っ張られシワができやすいので、事前プレスでプリント面を平らにする
- Mサイズの袖は長さ48cm、幅は肩側22cmから袖口側10cmまで細くなる。まっすぐなデザインなら幅約8cmが目安。A4なら長さ29cmほど入る
- もっと長く入れたいときは、デザインを2つに分けてつなげれば、袖に沿ってまっすぐ大きくプリントできる
- 袖に貼るときは耐熱テープか家庭用アイロンで仮止めしてからプレスすると、ずれない
- 袖の前側にプリントすると、着たときに袖口側は隠れてしまう。いちばんバランスがよいのは袖の折り目を真ん中にした位置。折り目をアイロンでのばしてからプリントする
今回のロンTとプリンター
プリントしたのは、トムス様(プリントスター)の101-LVC 5.6オンス ヘビーウェイトのロンTです。黒のロンTに、前身頃と袖の2か所へ文字のデザインをプリントしました。

プリンターは、当社オリジナルの白トナープリンターWTRIP835です。今回のデザインは黒を使わず、シアン・マゼンタ・イエロー・白の4色で表現しています。A3サイズまで印刷でき、本体がコンパクトなので、マンションの一室などでも場所を取りません。
| 項目 | 2026年10月時点 | 動画撮影時(2021年9月公開) |
|---|---|---|
| WTRIP835(RIPソフト込み) | 390,000円(税別) | 35万円(税別・ソフト込み) |
| 最大印刷サイズ | A3 | A3 |
| タイプW(A4)1枚あたりの転写紙代の目安 | 341円(税込) | — |
※2026年10月時点の価格・転写紙代はWTRIP835の商品ページの情報です。
転写マークを作る
デザインを反転させて、抜ける転写紙タイプWのMPシートに印刷します。糊のシート(プラスターシート)を重ね、印刷面を上にしてプレスし、裏返してもう1回プレスします。剥がすと印刷した部分だけに糊が付き、カッティングやカス取りをしなくても転写マークができます。1mmほどの細さまで、フルカラーで表現できます。

できあがったシートは、ハサミで4辺を切り、使う部分ごとに切り分けます。今回は前身頃用と、袖用の細長いマーク2本を作りました。
前身頃のプリント:シワ対策の事前プレス
ロンTは袖がある分、全体が重く、下に引っ張られてシワができやすいアイテムです。そこで、プリントしたい部分を先にプレスして平らにしておきます。ロンTはプレス機の下ゴテにかぶせてもかまいません。プリントする面の下には、ラバースポンジマットなどを敷いておきます。

事前プレスは130℃・10秒くらいで十分です(動画撮影時)。そのあと転写マークを置き、上にリケイ紙(シリコン紙)を乗せてプレスします。リケイ紙は、プレス機の汚れが生地に付かないようにするためのものです。動画では130℃・25秒くらいでプレスし、完全に冷めてから剥がしました。
| 工程 | 動画(2021年9月公開) | 現在の説明書の目安(綿のTシャツ生地) |
|---|---|---|
| 事前プレス | 130℃・10秒くらい | 綿の生地は事前プレスで毛羽立ちを抑える |
| 前身頃への転写 | リケイ紙を乗せて130℃・25秒くらい | 135℃・20〜30秒 |
| 袖への転写 | 130℃・20秒くらい | 135℃・20〜30秒 |
| 剥がす | 完全に冷めてから | 完全に冷めてから(転写紙を下にして冷ますのがおすすめ) |
| 仕上げプレス | 剥がしたあとに仕上げプレス | リケイ紙を乗せて135℃・15〜20秒 |
※生地ごとの条件は白トナープリントのプレス温度と時間にまとめています。条件はプレス機や生地で変わるので、最初は1枚試してから本番に入ってください。
袖の寸法と、プリントできる大きさ
袖にプリントする前に、どのくらいの大きさまで入るかを測りました。今回のロンTはMサイズです。袖は思ったより長く、長さ48cmありました。

幅は、肩に近い部分が22cm、袖口に近い部分が10cmで、袖口に向かって細く絞られていきます。そのため、まっすぐな長方形のデザインを入れるなら、細い袖口側に合わせて幅8cmくらいが上限の目安です。

長さは、A4の転写紙を使って29cmほどのプリントにしました。もっと長く入れたい場合は、デザインを2つに分けて作り、袖の上でつなげれば、袖の長さいっぱいにまっすぐ大きくプリントできます。
抜ける転写紙は、紙を重ねて見るだけで位置合わせができるので、袖のような細長い場所でも置き場所を決めやすいのが利点です。

英語の文字は「横向き」のまま袖に沿わせる
日本語は縦書きにできますが、英語には縦書きがありません。袖に英単語を入れるときは、文字を横書きのまま、袖の長さに沿うように配置します。動画では、肩側に日本語の文字、袖口側に英単語をプリントしています。
袖への仮止めとプレス
袖は細く、プレス機に運ぶまでに転写マークがずれやすい場所です。動画では、プレスの前に仮止めする方法を2つ紹介しています。
① 耐熱テープで仮止めする
転写マークの端を耐熱テープで袖に留めます。

② 家庭用アイロンで仮止めする
家庭用アイロンを130℃くらいにして、転写マークの上からさっと当てると仮止めになります。紙が生地にくっつくので、そのあとは動きません。

仮止めができたら、袖をプレス機に乗せて130℃・20秒くらい(動画撮影時)でプレスします。耐熱テープで留めたほうは袖口に近い位置、アイロンで留めたほうは肩に近い位置にプリントしました。

どちらも完全に冷めてから剥がし、きれいにプリントできました。このあと仕上げプレスをして完成です。

※耐熱テープは耐熱テープの商品ページ、リケイ紙はリケイ紙NPの商品ページで紹介しています。
着たときの見え方と、バランスのよい位置
袖には、平らに置いたときに真ん中を通る折り目があります。折り目より前側・後ろ側の面は平らなのでプリントしやすく、今回はどちらも袖の前側にプリントしました。
ところが実際に着てみると、袖口に近いほうのプリントは隠れてしまいます。肩に近いほうはあまり隠れませんが、それでも少し内側に入った見え方になりました。

そこで動画のおすすめは、袖の折り目を真ん中にしてプリントすることです。正面から見たときに、プリントがよく目立ちます。
ただし、折り目を真ん中にするには、アイロンなどで折り目をのばしてからプリントする必要があり、手間がかかります。動画では、作業のしやすさを優先するなら、お客様には袖の前側か後ろ側を案内するのがよいとも話しています。どちらにするかは、仕上がりと手間を比べて決めてください。
| 袖のプリント位置 | 作業のしやすさ | 着たときの見え方 |
|---|---|---|
| 袖の前側(袖口寄り) | しやすい(平らな面) | 隠れやすい |
| 袖の前側(肩寄り) | しやすい(平らな面) | 少し内側に入って見える |
| 折り目を真ん中にした位置 | 折り目をのばす手間がかかる | いちばんバランスがよい |
袖の折り目をのばしてからプリントする
動画の最後に、袖の折り目を真ん中にしてプリントするための、簡単な方法を紹介しています。
- 襟元から袖の中に手を入れ、袖を整えて、折り目が上の真ん中に来るようにする
- 折り目をアイロンで1回押さえてのばし、平らにする(プレス機でもよい)
- 平らになった面に、折り目を真ん中にして転写マークを置き、プレスする

少し手間はかかりますが、プリントをきれいに見せて、お客様に違和感なく喜んでもらうためのひと手間として、動画ではおすすめしています。
向かないケースと注意点
よくある質問
- ロンTの袖にもプリントできますか?
- できます。動画では白トナーと抜ける転写紙タイプWで、黒のロンTの前身頃と袖にプリントしました。袖は細長くずれやすいので、耐熱テープか家庭用アイロンで転写マークを仮止めしてからプレスします。
- 袖にはどのくらいの大きさまでプリントできますか?
- 動画で測ったMサイズのロンTは、袖の長さが48cm、幅は肩側22cm・袖口側10cmで、袖口に向かって細くなります。まっすぐなデザインなら幅8cmくらいが目安です。長さはA4の転写紙で29cmほど入れました。さらに長くしたい場合は、デザインを2つに分けてつなげれば、袖に沿ってまっすぐ大きくプリントできます。寸法はサイズや商品で変わるので、実物を測ってから決めてください。
- 袖のどこにプリントするのがきれいに見えますか?
- 袖の折り目を真ん中にした位置がいちばんバランスよく見えます。袖の前側にプリントすると、着たときに袖口側は隠れやすく、肩側も少し内側に入って見えます。折り目を真ん中にするには、襟元から袖に手を入れて折り目を整え、アイロンやプレス機で折り目をのばしてからプリントします。作業のしやすさを優先するなら、袖の前側か後ろ側を案内する方法もあります。
- 袖に転写マークを貼るとき、ずれないようにするには?
- プレスの前に仮止めします。動画で紹介している方法は2つで、耐熱テープで転写マークの端を留める方法と、家庭用アイロン(130℃くらい)を転写マークの上からさっと当てて仮止めする方法です。アイロンで仮止めすると紙が生地にくっつき、プレス機に運んでも動きません。
- ロンTのプレス温度と時間は?
- 現在のタイプWの説明書では、綿のTシャツ生地は135℃・20〜30秒でプレスし、完全に冷めてから剥がして、リケイ紙を乗せて135℃・15〜20秒で仕上げます。動画(2021年9月公開)では、事前プレス130℃・10秒、前身頃130℃・25秒くらい、袖130℃・20秒くらいでした。ロンTは重さでシワができやすいので、プリントする部分を事前プレスで平らにしてから転写してください。
この記事のもとになった動画
【タイプW】ロンTへのプリント方法と袖の注意点(2021年9月16日公開。価格・温度・時間は当時のもの)
ロンTの袖へのプリントも、
実機で試してください
白トナーの無料サンプルで、抜ける転写紙の発色と手ざわりを確かめられます。
東京・大阪・福井のショールームでは、袖へのプレスや仮止めの方法も実際にお見せできます。
※動画内の価格(WTRIP835 35万円・税別)と温度・時間(糊付け130℃・表裏30秒、事前プレス130℃・10秒、転写130℃・20〜25秒)は撮影当時のものです。現在の価格はWTRIP835の商品ページ、条件はタイプWの説明書(2026年10月時点)に従ってください。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


抜ける転写紙
全面プリント転写紙
発泡シート
箔・ラバー・ラメ
トナー・ドラム
DTFインク・フィルム
プレス資材
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Type-WLナイロン・薄い生地
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