ポロシャツ
熱転写プリントの注意点
カギは「ボタンの段差」への対処
会社のユニフォーム、お店のスタッフウェア、チームウェア。ポロシャツへのプリントは、Tシャツと並んで注文の多いアイテムです。ところが、Tシャツと同じ感覚でプレスするとうまく転写できないことがあります。
理由ははっきりしています。ポロシャツには前立てとボタンがあるからです。ボタンの段差が先に熱板に当たると、プリントする部分に圧力がかかりません。
この記事では、クイックアート東京ショールームで実際にプリントしながら、前面(左胸)・背面・素材別の注意点を解説します。ボタンにさえきちんと対処すれば、ポロシャツもTシャツと変わらない仕上がりになります。


- ポロシャツの最大の特徴はボタンがあること。ボタンを意識せずにプレスすると転写不良につながる
- 前面(左胸)は、プリント場所が襟元やボタンより一番高くなるようにする。方法は ①ラバークッションを中に入れる ②アイロンでプレス ③マーキングプレス機 の3つ
- 背面でも前のボタンの出っ張りが影響する。ボタン部分をマットの外に逃がし、プリント部分を平らにする
- ポリエステルのポロはプレス跡に注意。ついた跡はスチームアイロンでなじませる
- 綿の鹿の子で穴が大きいものは、プリント面がデコボコしやすく転写不良の原因に
熱転写プリント全般に使える内容です
動画では当社の白トナー転写と小型DTFでプリントしていますが、ボタンの段差による圧力不足は、熱と圧力で定着させるプリントならどれでも同じように起こります。
ポロシャツはなぜ失敗しやすいのか
繰り返しになりますが、ボタンがあることがポロシャツの大きな特徴です。ポロシャツの前面は左胸プリントが多いと思いますが、左胸のすぐ横には前立てとボタンがあります。

そのままプレス機にのせると、熱板はまずボタンと前立て、襟元に当たり、その横にあるプリント部分は浮いた状態になります。見た目にはプレスできていても、圧力が足りないので、洗濯ではがれたり、端が浮いたりします。
プリントする場所を、襟元やボタンより一番高くする。前面でも背面でも、ポロシャツのプリントはすべてこの考え方で対処します。
前面(左胸)プリント:3つの段差解消法
① ラバークッションを中に入れる

ポロシャツの中、左胸の裏側にラバークッションを入れて、プリントする部分を持ち上げます。ボタンや前立てはマットの外に出しておくのがポイントです。プレス機でプリントするなら、段差の解消が一番重要です。
② アイロンでプレスする

意外かもしれませんが、たいていの熱転写プリントは家庭用アイロンでもプレスできます(当社の白トナー転写・小型DTFの場合)。アイロンはプリント部分だけをピンポイントで押さえられるので、プレス機でのセッティングと比べて、段差を気にせず楽にプリントできます。
少ない枚数なら、アイロンのほうが楽です。アイロンを使うときは、スチーム穴のない底が平らなドライアイロンのほうが圧力をかけやすく、下にラバースポンジマットを敷くと安定します。
※使える温度・時間は転写紙やフィルムによって違います。必ずお使いの資材の推奨条件を確認してください。
③ マーキングプレス機を使う

下ゴテが小さいマーキングプレス機なら、左胸の部分だけを下ゴテにかぶせられるので、ボタンや前立てが最初から熱板の外に出ます。段差解消のセッティングが簡単です。胸や袖などのワンポイントプリントが多い方は、マーキングプレス機が生産性が良いです。

JL-CA001BⅡ マーキングプレス機
下ゴテが小さく、ポロシャツの胸や袖など、大きなプレス機ではセットしにくい場所をすばやくプレスできます。ワンポイントの注文が多いお店の2台目にもおすすめです。
スウィング式プレス機JL-PL003BⅡをお使いの方は、交換下ゴテ 10×15cmに付け替えて、ワンポイント用に使う方法もあります。
| 方法 | 向いている枚数 | セッティング | 必要なもの |
|---|---|---|---|
| ① ラバークッションを中に入れる | 少〜中ロット | 慣れが必要 | プレス機+ラバークッション |
| ② アイロン | 少ロット | 楽 | ドライアイロン+マット |
| ③ マーキングプレス機 | ワンポイントが多い・量産 | 簡単 | マーキングプレス機 |
プレス跡と、剥がすタイミング
プレスが終わったら、5分以上おいて完全に冷ましてから剥がします(当社の白トナー転写の場合)。

プリントのまわりに見える四角い跡がプレス跡です。ポリエステルの生地はプレス跡がつきやすいので、対処が必要です。ついたプレス跡は、スチームアイロンを当ててなじませると目立たなくなります。
綿とポリで考え方が違うこと、全体プレス・あたり軽減シートなどの対処法は、プレス跡を目立たなくする方法で解説しています。
背面プリント:ボタンの出っ張りを逃がす
背中側にプリントするときも、注意すべきはボタンの影響です。ポロシャツを裏返してプレス機に置くと、前側のボタンが下から背面を押し上げてしまいます。

段差マットを1枚入れただけでは、ボタンの出っ張りがまだ背面に響きます。プレス用のマット1枚では不足です(Tシャツを下ゴテにかぶせられるプレス機の場合は不要です)。ここから、2つの段差解消法を紹介します。
方法A:ボタン部分を段差にして、マットを差し込む
- ボタンのある部分をマットの外に出す前立てとボタンの部分がマットから外れるように置き、ボタンの部分を一段下げます。
- プリントする部分にラバースポンジマットを差し込む背面のプリント位置の下にマットを入れて、プリント部分を持ち上げます。
- さらに段差マットやラバースポンジマットで背面を平らにするポリエステルの生地はやわらかいので、生地がよれないようにセッティングに注意します。
- 手で触って確認するセットしたら背面を手でなでて、平らになっていればOKです。


方法B:固い板+マットの「2重マット」
もうひとつは、適度に固いものを敷いて、その上にマットを重ねる方法です。固い板がボタンの凹凸を受け止め、上のマットが背面を平らに整えます。身近な固い板とマットの組み合わせで試せます。


プレス機用 段差マット(460×350mm)
衣類の内側に入れて、そのままプレス機の台に置けます。縫い目や段差をマットの外側へ逃がし、プリント部分に均等に圧力をかけます。ラバースポンジマットと組み合わせると、ボタンの影響をさらに減らせます。
素材別の注意点(ポリエステル・鹿の子)
| 素材 | 注意点 | 対処 |
|---|---|---|
| ポリエステルのポロシャツ | プレス跡がつきやすい。生地がやわらかく、セットでよれやすい | プレス跡に気をつける程度でOK。跡はスチームアイロンでなじませる |
| 綿の鹿の子ポロシャツ | 鹿の子の穴(目)が大きいものは、プリントが穴に沿って凹凸になりやすい | プリント後に表面がデコボコしていたら転写不良を疑う。圧力・時間を見直す |
| プリンタブルのポロシャツ | プリント向けに作られた生地 | 基本的に問題なくプリントできる |

トムスやキャブなど、プリント用ボディを扱うメーカーのプリンタブルなポロシャツなら、まず問題はありません。注意したいのは、お客様が持ち込む一般向けのポロシャツです。鹿の子の穴が大きく、プリントしたあとにプリント面が凹凸を感じる場合は、転写不良の疑いがあります。
この記事で使った道具
動画で紹介した段差マットやラバースポンジマットなどは、クイックアートで販売しています。どれも白トナー専用ではなく、熱転写全般で使えます。






※価格は2026年10月時点の当社サイト掲載価格です。マットの使い分けはウェアプリントでのマットの使い方で詳しく解説しています。
よくある質問
- ポロシャツにプリントするとき、なぜ失敗しやすいのですか?
- Tシャツと違って前立てとボタンがあり、プレスするとボタンや襟元の段差が先に熱板に当たって、プリント部分に十分な圧力がかからないためです。ボタンの段差を意識せずにプリントすると、転写不良につながります。
- ポロシャツの左胸にプリントするには?
- ラバークッションを中に入れて、プリントする場所が襟元やボタンより一番高くなるようにします。少枚数なら家庭用アイロンでのプレスもセッティングが楽で、ワンポイントのプリントが多い方はマーキングプレス機を使うと生産性が上がります。
- ポロシャツの背中にプリントするときの注意点は?
- 背中側でも、前のボタンの出っ張りがプレスに影響します。ボタンのある部分をマットの外に逃がして段差をつけ、プリントする部分にマットを入れて平らにします。セットしたら手で触って、背面が平らになっていれば準備完了です。
- 鹿の子のポロシャツにもプリントできますか?
- できますが、綿の鹿の子で穴が大きいものは注意が必要です。プリント後にプリント面がデコボコしていると感じたら、転写不良の可能性があります。プリンタブルのポロシャツなら、問題なくプリントできます。
- 家庭用アイロンでもプリントできますか?
- たいていの熱転写プリントは家庭用アイロンでもプレスできます(当社の白トナー転写・小型DTFの場合)。少ない枚数ならセッティングも楽です。お使いの資材の推奨条件を確認してください。
この記事のもとになった動画
【解説】ポロシャツ熱転写プリントの注意点 業者様向けプリント講座(約14分)
ポロシャツへのプリントを、
実際の仕上がりで確かめてください
白トナー転写・DTFでプリントしたサンプルを無料でお送りしています。
東京・大阪・福井のショールームでは、ポロシャツへのプリントも体験できます。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


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