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QUICK ART PRINT ACADEMY / PRESS TECHNIQUE

プレス跡を
目立たなくする方法
綿とポリで、考え方はまったく違う

熱プレス機でウェアにプリントすると、プリントのまわりに四角いテカリや色の違いが残ることがあります。プレス機の熱板や、ウェアの中に入れたマットの形が写ってしまう「プレス跡(プレス痕・あたり)」です。

白トナー転写、DTF、ラバーシート、昇華転写、アイロンプリント。熱でプレスする製法なら、どれでも必ずついてまわる悩みです。遠目には目立たなくても、お客様は商品を手元で、間近で見ます。プレス跡への向き合い方は、そのままお客様からの評価につながります。

完全になくすのは難しいのですが、目立たなくすることはできます。この記事では、クイックアートのショールームで実際にプレスして確かめた方法を、生地別に解説します。

BEFOREグレーのポリエステルTシャツに、プレス機の熱板の形が四角く残っている
グレーのポリエステル。熱板の形がはっきり四角く残っています
AFTER全体プレスで対処したあと。四角いプレス跡がほとんど見えない
この記事の方法で対処したあと。四角い跡がほとんど見えなくなりました
先に結論
  • 綿はプレスで繊維が寝るだけなので、時間の経過や洗濯でだんだん目立たなくなる
  • ポリエステルは熱で繊維の色そのものが変わるため、時間がたってもほとんど消えない。プレスの段階での対策が大事
  • ついてしまった跡は、跡のない部分も含めて全体をもう一度プレス(シリコン紙をのせ、圧力は1回目より強め)すると目立たなくなる。綿でもポリでも使える
  • ポリや濃色には、ウェアの中に中敷きのマットを入れる、あたり軽減シートをのせる、下のマットの角を丸くするのが効く
  • 温度が低いほど跡は薄く、高いほど濃くなる。低温で転写できる製法はそれだけで有利

この記事の方法は、熱でプレスする製法すべてに使えます

白トナー転写DTFラバー・カッティングシート昇華転写インクジェット転写紙アイロンプリント箔プリント

動画では白トナー転写(約130度)で実演していますが、プレス跡がつく仕組みは製法に関係ありません。温度や時間はお使いの転写紙・フィルムの推奨条件に合わせて読みかえてください。

01 / WHY

プレス跡はなぜつくのか ── 綿とポリの違い

プレス跡への対処は、最初に生地が綿かポリエステルかで考え方を分けるのが大切です。同じ「四角い跡」に見えても、生地の中で起きていることが違います。

生地跡の正体時間がたつと対策の考え方
綿プレスで繊維が寝た部分と、寝ていない部分の差繊維が元に戻り、だんだん目立たなくなる全体の繊維を同じ状態にそろえる
ポリエステル熱で繊維の色が変わった部分ほとんど変わらないプレスの段階で跡をつけない/全体をそろえる
温度が低い跡は薄い低温で転写できる製法ほど有利
温度が高い跡は濃い昇華転写(約200度)は特に注意
ポリの色グレーは目立つ生地の色で跡の印象が変わる

特にポリエステルは、転写温度の影響を大きく受けます。熱で繊維が変色することで跡が目立つので、同じポリでも、低い温度でプレスできる転写紙やフィルムのほうが跡はつきにくくなります。

お客様への説明も大切に
綿は時間がたてば改善が期待できますが、ポリは改善があまり期待できません。ポリエステルのウェアを受注するときは、プレス跡について事前にひと言お伝えしておくと、納品後の行き違いを防げます。
02 / COTTON

綿の対処法:全体をもう一度プレスして繊維をそろえる

黒の綿Tシャツに、実際のプリントと同じ手順でプレスして確かめました。

  1. 事前プレスで生地を平らにするプリントする前に、シリコン紙をのせて一度プレスし、生地のシワや湿気をとって平らにします。
  2. 転写紙をのせてプリントのプレス動画では白トナー転写で約130度・20秒。この段階では、転写紙と熱板の形にそって跡がつきます。
  3. 跡を確認する綿の場合、跡の正体は「プレスで繊維が寝ている部分」と「起きている部分」の差です。
  4. 寝ていない部分も含めて、全体をもう一度プレスシリコン紙をのせ、跡がついていない部分まで広くプレスします。動画では130度・30秒、圧力は1回目より強めにしています。
黒の綿Tシャツについたプレス跡
綿生地でのプレス跡。光の当たり方で四角い境目が見えます
2回目のプレスは圧力を初回より強くする
2回目は、圧力を初回のプレスより強くします
シリコン紙をのせて、跡のない部分も含めて全体をプレスする
シリコン紙をのせて、跡のない部分も含めて全体をプレス。「跡がある部分」と「ない部分」の差をなくします

こうすると、生地全体の繊維が同じように寝るため、跡の境目が目立たなくなります。さらに、時間の経過とともに繊維が全体的に均一に戻っていくので、綿は時間がたつほどきれいになります。

ポイントは「跡を消す」ではなく「差をなくす」。跡がついた部分だけを押さえても、境目が増えるだけです。跡のない部分まで含めて全体をそろえることで、跡の輪郭そのものがぼやけます。
03 / POLYESTER

ポリエステルの対処法:中敷きと全体プレス

ポリエステルは、綿のように時間がたっても跡が消えません。要チェックの生地です。黒のポリエステルTシャツで確かめました。

黒のポリ生地に、中敷きのマットを敷いてプレスする
ウェアの中に中敷きのマットを入れてからプレスします
  1. ウェアの中に中敷きのマットを入れるプリントする部分の下にマットを入れて、プリント部分だけを少し持ち上げます。熱板の縁や縫い目の段差が生地に当たりにくくなります。
  2. 転写紙をのせてプレス動画では約130度・20秒。ポリエステルは転写しやすい生地なので、白トナー転写では圧力を少し弱めにしています。
  3. 冷ましてから剥がす中敷きを入れて低めの温度でプレスすると、転写紙の跡はつきにくくなります。
  4. 跡が気になる場合は、綿と同じく全体をプレスシリコン紙をのせ、全体をもう一度プレスします。圧力は1回目より強めにします。
黒のポリエステルTシャツのプリント。プレス跡はあまり目立たない
黒のポリエステル。低めの温度と中敷きの組み合わせで、プレス跡はあまり目立ちませんでした

同じポリエステルでも、生地の色によってプレス跡の印象は大きく変わります。黒では目立たなかった跡が、グレーのポリエステルでははっきり四角く出ました(記事冒頭の写真)。グレーも、全体をプレスする方法で目立たなくなっています。

グレー・杢・明るい色のポリエステルは要注意。熱による繊維の変色がそのまま見えやすい色です。本番の前に、同じ生地の端切れや裏側でテストプレスしておくと安心です。
04 / ATARI SHEET

あたり軽減シートを使う

プレス跡を減らすための専用シートがあたり軽減シートです。ポリエステルやポリエステル混紡の生地にプレスするときの、コテ跡(あたり)を軽減します。

中敷きを入れ、転写紙の上にあたり軽減シートをのせてプレスする
中敷きを入れ、転写紙の上にあたり軽減シートをのせてプレス(125度・30秒)
  1. ウェアの中に中敷きのマットを入れるポリエステルの手順と同じです。
  2. 転写紙の上に、あたり軽減シートをのせる生地に配置した転写紙の上に、シートを重ねます。
  3. 温度を少し高く、または時間を少し長くしてプレスシートには断熱効果があるため、動画では125度・30秒でプレスしています。
あたり軽減シートを使ってプレスした黒のポリエステルTシャツ。プレス跡が見えない
あたり軽減シートで仕上げた黒のポリエステル。間近で見ても、プリントのまわりに四角い跡が見えません
あたり軽減シート
プレス跡(あたり)対策に

あたり軽減シート 45×55cm

ポリエステル・ポリ混紡のウェアにプレスするときのコテ跡を軽減します。転写紙の上にのせてプレスするだけ。白トナー転写、DTF、ラバーシートなど、熱転写全般に使えます。使用時は温度を少し高く、または時間を少し長めにしてください。

11,000円(税込)商品ページを見る →
05 / MAT SHAPE

下のマットの角を丸くする

意外と見落とされるのが、プレス機の下に敷いているマットの形です。マットがきれいな長方形だと、その角と直線がそのまま生地に写り、プレス跡が目立ちやすくなります。

プレス機の下のマットの角に丸みをつける
下のマット(ラバークッション)の角に丸みをつけると、跡の輪郭がやわらかくなります

ラバークッションやラバースポンジマットは、ハサミでカットできます。角を丸く切っておくだけで、跡の輪郭がぼやけて目立ちにくくなります。ウェアの中に入れる中敷きのマットも同じです。

ラバークッション 厚さ8mm
下ゴテのマット・中敷きに

ラバークッション(厚さ8mm)

クイックアートオリジナルプレス機に付属しているものと同じ材質の交換用です。ハサミで角を丸くカットしたり、ウェアの中に入れて縫い目やボタンの段差を逃がしたりできます。へたったマットは圧が逃げるので交換をおすすめします。

1,100円(税込)〜商品ページを見る →
ラバースポンジマット 厚さ約3mm
中敷き・部分的な持ち上げに

ラバースポンジマット(厚さ約3mm)

やわらかく曲げやすいので、ウェアの中に入れる中敷きにぴったり。プリントする部分だけを少し持ち上げて、熱板の縁や縫い目が当たるのを防ぎます。好きな形にカットできます。

550円(税込)〜商品ページを見る →

マットの使い分けはウェアプリントでのマットの使い方で詳しく解説しています。

06 / BY METHOD

製法ごとの注意点

最後の仕上げプレスは、中敷きなし・圧力強め

転写紙を生地にプレスするときは中敷きのマットで跡を防ぎますが、最後の仕上げプレスでは中敷きを敷かず、プレス圧を強めます。プリントをしっかり生地に押し込むためです。仕上げに使うシートの選び方は仕上げシートの選び方で解説しています。

昇華転写は特にプレス跡が出やすい

昇華転写は200度・60秒前後と高温でプレスするため、プレス跡の悩みが多い製法です。ただ、昇華転写はそこまで強い圧力がなくても転写できます。

製法・条件プレス跡の出やすさ対策
低温の熱転写(白トナー転写など 約120〜130度)出にくい中敷き・全体プレス・あたり軽減シート
DTF・ラバーシートなど温度と圧力しだい推奨条件の範囲で温度を低めに。中敷き・全体プレス
昇華転写(約200度)出やすい圧力を弱める。転写紙の種類を見直す
糊付きの昇華転写紙跡が目立ちやすい糊なしの転写紙をテストしてみる
糊なしの昇華転写紙跡は出にくいゴースト(二重写り)に注意。圧力を弱めて対処

昇華転写は、転写紙の種類の違いで結果がかなり変わります。糊付きの転写紙は跡が目立ちやすいので、糊なしの転写紙もテストしてみてください。ただし糊なしは、プレス中に紙がずれてゴーストが出やすくなります。この場合も、圧力を弱めることで対処できます。

衣類の昇華転写は、うまくいくかどうか半々
素材や転写紙との相性で結果が大きく変わります。だからこそ、何も対処しないのと、対処法を持っているのとでは大きな違いが出ます。
08 / FAQ

よくある質問

プレス跡は洗濯すれば消えますか?
綿の生地は、プレスで寝た繊維が時間の経過や洗濯で元に戻るため、だんだん目立たなくなります。ポリエステルは熱で繊維の色そのものが変わるため、時間がたってもほとんど変わりません。ポリエステルはプレスの段階で跡をつけない工夫が大切です。
ついてしまったプレス跡を目立たなくするには?
跡がついた部分だけでなく、跡のない部分も含めてプリント面の全体を、シリコン紙をのせてもう一度プレスします。圧力は1回目より強めにします。生地全体の繊維が同じ状態にそろうため、跡の境目が目立たなくなります。綿でもポリエステルでも使える方法です。
あたり軽減シートはどう使いますか?
生地に配置した転写紙の上にのせてプレスします。断熱効果があるため、温度を少し高くするか、時間を少し長めにしてください。動画では中敷きのマットと組み合わせ、125度30秒でプレスしています。
昇華転写でもプレス跡は出ますか?
出ます。昇華転写は約200度と高温なので、プレス跡の悩みが多い製法です。圧力を弱めること、糊付きの転写紙より糊なしの転写紙を試すことが対策になります。糊なしはゴーストが出やすいので、圧力を弱めて対処します。
スチームアイロンでも対処できますか?
はい。ついたプレス跡にスチームを当てて繊維をなじませる方法もあります。ポロシャツなど、プレス機で全体をプレスしにくいウェアに便利です(ポロシャツへのプリントの注意点でも紹介しています)。
VIDEO

この記事のもとになった動画

【テクニック】ウェアプリントでのプレス跡を目立たなくする方法 プレス痕を目立たなくする方法(約12分)

低温で転写できる白トナーなら、
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