仕上げプレスの
シートの選び方
4種類の特徴と、相性の良い生地
仕上げプレスとは、プリントしたあと、最後にもう一度ウェアをプレスする作業のことです。プリントを生地に押し込んでなじませ、洗濯への強さを上げる、仕上がりを左右する大事な工程です。
このときプリントの上にのせるのが仕上げシートです。シリコン紙、テフロンシート……。多くの方が、あまり何も考えずに手元のシートを使っているはずです。ところが、シートと生地の相性で、仕上がりははっきり変わります。
この記事では、クイックアートが販売している4種類の仕上げシートの特徴を、定番素材の綿・ポリエステル・ナイロンで比べた実験とあわせて解説します。

- 綿にはフォースインペーパーS(FPS)。イラストが生地に押し込まれ、手触りもやわらかくなる
- ポリエステルにはシリコン紙。濃色のポリにFPSを使うと、生地の色がFPSに移ることがある
- ナイロンもシリコン紙。FPSとの差はほとんどない
- バッグなど固いものにはテフロンシート。折れてもすぐ元に戻る
- フォースインペーパー(FP・黄色)は生地ではなく商品で決まるシート。対応する転写紙に最初からセットされている
- シリコン紙は約50回、FPSは30〜50回が交換の目安。焦げ・折れ・汚れが出たら交換
トナー転写の話が中心ですが、ほかの製法の仕上げにも
動画は主にトナー転写での仕上げを前提にしていますが、溶剤プリントやカッティングシートの仕上げにも参考になる内容です。生地との相性の考え方(色移り・なじみ・固いものへの対応)は、どの製法でも共通です。
4種類の仕上げシートの特徴

| シート | 特徴 | 相性の良い生地・用途 |
|---|---|---|
| シリコン紙 (リケイ紙NP) | 薄くペラペラ。リケイ(剥離)剤と通気性がある。単価が安い | ポリエステル・ナイロン。綿にも使える。抜ける転写紙のトリミング |
| フォースインペーパーS (FPS) | 内部のシリコンジェルが生地の形に変形し、プリントを生地目に押し込む | 綿 |
| フォースインペーパー (FP・黄色) | 仕上がりに光沢感が出る | EA-CR・EA-WHS・WHS-CLなど対応する転写紙専用 |
| テフロンシート | 両面シリコン加工のガラスクロス。折れてもすぐ戻る | バッグなど固いもの。プレス台の汚れ防止 |
フォースインペーパー(FP)は「商品で選ぶ」シート

FPは、EA-CR・EA-WHS・WHS-CL・トリムフリー・CRVなど、FPを使う転写紙に最初からセットされているシートです。仕上がりに光沢感が出ます。生地で選ぶのではなく、転写紙の種類で決まると考えてください。ほかの商品に使うと不具合が起こる可能性があります。
シリコン紙とFPSの違い

シリコン紙は、リケイ剤が塗られた薄い紙です。熱板やプリント面に糊がつくのを防ぎ、通気性もあるので、どの生地にも使いやすい基本の1枚です。
FPSは、少し粘着性のある面をプリントに当てて使います。プレスすると内部のシリコンジェルが生地の形に合わせて変形し、仕上げプレスのときにイラストを生地に押し込んでなじませます。
綿・ポリ・ナイロンで比べた結果
同じデザインを綿・ポリエステル・ナイロンにプリントし、シリコン紙とFPSで仕上げプレスして比べました。
綿:FPSがおすすめ
FPSで仕上げたほうは、イラストと生地の織りが一体になり、手触りもやわらかくなりました(記事冒頭の写真)。綿への仕上げはFPSがおすすめです。もちろんシリコン紙も綿に使えますし、抜ける転写紙の場合は、洗濯への強さはどちらも十分です。
ナイロン:シリコン紙がベター
ナイロンでは、シリコン紙とFPSの違いはほとんどありませんでした。扱いやすさとコストを考えると、ナイロンにはシリコン紙がベターです。
ポリエステル:シリコン紙を使う

ポリエステルは熱で生地の色が気化して(昇華して)、FPSに移ることがあります。今回の水色の生地では移りませんでしたが、別の赤い生地ではFPSに赤い色がついていました。生地の個体差によるので、移る・移らないは一概には言えません。
一方、シリコン紙はリケイ剤と通気性があるので問題ありません。仕上がり自体の差もほとんどなく、ポリエステルのような化学繊維は、織り方の性質上、FPSを使わなくても生地へのなじみが良いのです。
| 生地 | おすすめのシート | 理由 |
|---|---|---|
| 綿 | FPS(シリコン紙も可) | イラストが生地に押し込まれ、手触りがやわらかくなる |
| ポリエステル | シリコン紙 | FPSは濃色生地で色移りの恐れ。なじみはシリコン紙でも十分 |
| ナイロン | シリコン紙 | FPSとの差がほとんどない |
| バッグなど固いもの | テフロンシート | シリコン紙だと折れて、毎回捨てることになる |
交換の目安と、長持ちさせる使い方
シリコン紙:1枚約50回。焦げと折れが交換のサイン

- 茶色く焦げてきたら交換:リケイ(剥離)がなくなっている
- 折れに注意:シリコン紙の折れがそのままイラストに線としてつく。なるべく折れないように扱う
- 何回使えるかは使い方によるが、1枚50回が目安。単価が安いのでこまめに交換するのがおすすめ
- クッキングシートで代用する場合は、必ずテストしてから。仕上がりを比べて選ぶ
FPS:30〜50回。折れても大丈夫、汚れには注意

- 折れがイラストに影響しない:抜ける転写紙Type-Wの5枚セットでは、FPSが折った状態で入っているが、そのまま使える
- 汚れに注意:汚れがついていると、生地に移る可能性がある
- コーティングがなくなったら交換:表面を触ると分かる。使い方にもよるが30〜50回が目安
- カットすると内部のシリコンジェルが出てしまうので、切らずに使う
テフロンシートの使いどころ

トートバッグなど固いものをシリコン紙で仕上げると、持ち手や縫い目の段差でシリコン紙に折れが出てしまい、プレスのたびに捨てなければなりません。折れたまま使うと、イラストに線がついて仕上げをしている意味がなくなります。
ここで役立つのがテフロンシートです。仕上げのときに折れが出ても、すぐ元の状態に戻ります。ただし、イラストがテフロンにくっつかないか、事前にテストしてから使ってください。
テフロンシートは固いものの仕上げや、プレス台の汚れ防止に便利ですが、Tシャツの仕上げには、一度シリコン紙やFPSも試してみてください。生地へのなじみ方の違いが分かるはずです。
この記事で紹介したシート

リケイ紙NP(薄いシリコン紙)
プレス時の汚れ防止・溶融防止、仕上げプレスでの光沢調整に。100円ショップのクッキングシートよりリケイが強く、品質が安定しています。A4・A3・A3ノビ(約440×320mm)・A2の4サイズ、10枚/100枚入り。

フォースインペーパーS(FPS)
プリントマークを生地に強く押し込みたいときに。少し粘着性がある面をプリントに当てて使います。A4ノビ・A3ノビサイズ、1枚/10枚入り。ポリエステル100%の生地では色移り(昇華)に注意してください。

テフロンシート
両面シリコン加工のガラスクロス。ラバークッションの上に敷けば、はみ出た糊が染みず、汚れも落としやすくなります。約45×45cm・約60×50cm(JL-PL003B用におすすめ)・100cm幅のロール。
もうひとつの選択肢:ブラックシリコンシート
動画では紹介していませんが、クイックアートではブラックシリコンシートも扱っています。網目状のエンボス模様でプリントを生地目に食い込ませ、分厚く感じるプリントの生地なじみを良くします。当社の検証では、DTF・ラメシート・抜ける転写紙タイプCで特に大きな効果がありました。昇華しにくいので、綿・ポリ・ナイロンと幅広い生地に使えます。

ブラックシリコンシート
プリントをやわらかく、生地になじませる仕上げシート。表裏どちらでも使えます。エンボス模様が気になる場合は、リケイ紙NPで再プレスすると目立たなくなります。
※価格は2026年10月時点の当社サイト掲載価格です。動画内の価格は撮影当時のものです。在庫状況は商品ページでご確認ください。
よくある質問
- 仕上げプレスとは何ですか?
- プリントしたあと、最後にもう一度ウェアをプレスする作業です。プリントを生地に押し込んでなじませ、洗濯への強さを上げる重要な工程です。このときプリントの上にのせるのが仕上げシートです。
- 綿・ポリエステル・ナイロンで、どの仕上げシートを使えばいいですか?
- 綿にはFPS、ポリエステルとナイロンにはシリコン紙(リケイ紙NP)がおすすめです。ポリエステルの濃色生地にFPSを使うと、生地の色がFPSに移ることがあります。バッグなど固いものにはテフロンシートが向いています。
- シリコン紙は何回使えますか?
- 使い方にもよりますが、1枚50回が目安です。茶色く焦げてきたら交換してください。折れたシリコン紙で仕上げるとイラストに線がつくので注意が必要です。単価が安いので、こまめな交換がおすすめです。
- クッキングシートで代用できますか?
- 代用する場合は、必ずテストしてから使ってください。専用のシリコン紙はクッキングシートに比べてリケイが強く、品質が安定しています。
- 仕上げプレスでは、中敷きのマットを入れたほうがいいですか?
- 転写のときは中敷きでプレス跡を防ぎますが、最後の仕上げプレスでは中敷きを敷かず、圧力を強めにするのが基本です。詳しくはプレス跡を目立たなくする方法をご覧ください。
この記事のもとになった動画
【仕上げプレス】各種仕上げシートの特徴と相性の良い生地を説明します シリコン紙 リケイ紙(約16分)
仕上げまで含めた
プリントの仕上がりを、手に取って
FPSで仕上げた綿Tシャツの手触りは、写真や動画では伝わりきりません。
無料サンプルで、実際のプリントを確かめてください。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


抜ける転写紙
全面プリント転写紙
発泡シート
箔・ラバー・ラメ
トナー・ドラム
DTFインク・フィルム
プレス資材
昇華インク
Type-WLナイロン・薄い生地
Type-Cキャンバスバッグ
Type-Pペイスターで楽に















オーブンプリントマグカップ・食器に
Tattooシール肌に貼れるタトゥー






























