小型DTF(WIP)のフィルムを
家庭用アイロンで貼る手順。
業務ではプレス機が基本です
当社の小型DTFプリンター「WIPシリーズ(白インクパウダープリント)」で作ったフィルムは、家庭用アイロンでも生地に貼ることができます。プレス機を持っていない方や、まず1枚だけ試したい方から「アイロンでもできますか」とよく聞かれます。
この記事では、当社の約3分の動画で実演したアイロンでの貼り方を、テロップと説明書の内容に沿って手順にまとめます。あわせて、アイロンでうまくいかない原因と、販売する商品を作るなら熱プレス機が基本である理由も、プレス機の条件と並べて説明します。フィルムの作り方はWIP754の使い方の記事をご覧ください。
- WIPのフィルムは家庭用アイロンでも貼れる。フィルム面を上にして生地に置き、低温〜中温で1か所5秒×2回、全体重をかけて押さえる
- 冷めてからフィルムを剥がし、シリコン紙を乗せて同じように仕上げプレスをすると完成
- アイロン台は使わない。ラバースポンジマットか、硬い台の上に新聞紙1日分を敷いて圧力をかける
- DTFは圧力が足りないと転写不良や剥がれにつながる。アイロンは試作や1枚だけの作品向けで、販売用はプレス機が基本
- 現在の製品ページには、アイロンでの温度・時間の案内はない。アイロンで貼るときはまず端切れで試す
WIPのフィルムとは
WIP(白インクパウダープリント)は、当社の小型DTFプリンターのシリーズ名です。専用のフィルムにCMYKと白のインクで印刷し、パウダー(粉)をまぶして加熱し、糊の層を作ります。この「貼る前のフィルム」を生地に重ねて熱と圧力をかけると、イラストが生地に移ります。
| 工程 | 内容 | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| ① 印刷 | 専用フィルムにCMYK+白で印刷 | WIP754の使い方 |
| ② パウダー・ベイキング | パウダーをまぶし、加熱して糊を固める | パウダーとベイキング完全ガイド |
| ③ 生地に貼る | 熱プレス機、または家庭用アイロンで圧着 | この記事(アイロン)/DTFのプレス温度(プレス機) |
動画で扱っているのは③の工程です。フィルムはすでにできあがったものを使っています。

用意するもの
| 道具 | 動画・説明書での扱い |
|---|---|
| できあがったWIPのフィルム | 印刷・パウダー・ベイキングを済ませたもの |
| プリントしたい生地 | 動画ではオレンジ色の布 |
| 家庭用アイロン | 温度は低温〜中温を使う |
| 硬い作業台 | 動画ではアイロンプリントに適したラバースポンジマット。ない場合は硬い台の上に新聞紙1日分を敷く。アイロン台は使わない |
| シリコン紙(リケイ紙) | 仕上げプレスのときにフィルムを剥がした面に乗せる。説明書では、最初に押さえるときもフィルムの上にリケイ紙をのせる手順 |

※シリコン紙(リケイ紙)はプレス機での作業でも使う当て紙です。当社では「リケイ紙NP」を販売しています。
アイロンで貼る手順
動画のテロップと説明書の手順をまとめると、次の6ステップです。ポイントは「全体重をかける」「冷めてから剥がす」「仕上げプレスをする」の3つです。
| 手順 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | フィルム面を上にして、プリントしたい生地の上に置く | 位置を決めてからアイロンを当てる |
| 2 | アイロンの低温〜中温で、1か所5秒を2回押さえる | 全体重をかけて、均一に圧力をかける。アイロンを動かしながら全体を押さえる |
| 3 | そのまま冷ます | 熱いうちに剥がさない |
| 4 | 冷めてから、印刷フィルムを剥がす | 端からつまんで剥がす |
| 5 | シリコン紙を乗せて、1か所5秒を2回、仕上げプレス | フィルムを剥がした面を、もう一度押さえる |
| 6 | シリコン紙を外して完成 | — |






※アイロンの面はイラストより小さいことが多いので、場所をずらしながら1か所ずつ押さえます。押さえ忘れた場所があると、その部分だけ転写が甘くなります。
温度の選び方
動画のテロップでは、アイロンの温度について次のように案内しています。
| 生地 | アイロンの温度(動画の案内) |
|---|---|
| 熱に弱い素材 | 低温 |
| 綿の生地など | 中温 |

家庭用アイロンの「低温・中温」が何℃にあたるかは、アイロンの機種によって違います。木材に貼った別の動画(小型DTFで木にプリント)では、目盛りの中ほどで約150℃のアイロンを使い、5〜10秒×2回押さえていました。生地と木材では条件が違うので、お使いのアイロンと素材の組み合わせで、まず端切れで試してください。
※プレス機で貼る場合の温度は、素材によって変わります。当社がWIPの資材で温度を変えて試した結果はDTFのプレス温度の記事にまとめています(綿は135℃以上、ポリエステルは125〜135℃程度が目安)。
失敗しやすい点
アイロンで貼るときにうまくいかない原因は、ほとんどが圧力不足です。動画でも、圧力のかけ方について2つのテロップを出しています。


| 失敗しやすい点 | どうなるか | 対策(動画・説明書の案内) |
|---|---|---|
| アイロン台の上で作業する | 台がやわらかく、圧力が逃げる | アイロン台は使わない。ラバースポンジマットか、硬い台+新聞紙1日分 |
| さっと押さえるだけ | イラストがフィルムに残る・後で剥がれる | 1か所5秒×2回、全体重をかけて均一に |
| 押さえる場所がかたよる | 押さえていない部分だけ転写が甘くなる | アイロンをずらしながら全体を押さえる |
| 熱いうちに剥がす | 生地に付ききっていない部分がフィルムに残ることがある | 冷めてから剥がす(この動画の手順) |
| 仕上げプレスを省く | 目で見えないところで定着が甘い部分が残ることがある | シリコン紙を乗せて、もう一度1か所5秒×2回 |
当社が別の動画で話しているように、SNSでは、家庭用アイロンで「さらっと」押してすぐに剥がし、きれいにできているように見せる動画も見かけます。しかし、さらっとかける程度では転写不良になり、最初の剥がれにつながります(DTFのプレス温度の記事)。この動画でも「全体重をかけて」と何度も伝えているのは、そのためです。
アイロンとプレス機の比較
動画の説明書には、プレス機で圧着する場合の手順も書かれています。アイロンとプレス機を並べると、次のとおりです。
| 項目 | 家庭用アイロン(この動画) | 熱プレス機 |
|---|---|---|
| 温度 | 低温〜中温(目盛り。実際の温度は機種による) | 130〜150℃(動画の説明書)。WIP754の使い方の動画では120〜150℃ |
| 時間 | 1か所5秒×2回を、場所をずらしてくり返す | 20〜30秒(動画の説明書)。WIP754の動画では10〜30秒で、実演は130℃・30秒 |
| 圧力 | 体重でかける。人や台によって変わる | 機械で、面全体に均一にかかる |
| 仕上げプレス | シリコン紙を乗せて1か所5秒×2回 | 冷めてから剥がし、シリコン紙を乗せて仕上げプレス(説明書) |
| 同じ仕上がりをくり返せるか | 人によってばらつきやすい | 温度・時間・圧力を毎回そろえられる |
| 向いている使い方 | 試作、1枚だけの作品、プレス機のない場所での作業 | 販売する商品、枚数の多い注文、洗濯に耐えることが前提の商品 |
プリントを仕事にするなら、熱プレス機が基本です。温度と時間を毎回そろえられ、圧力が面全体に均一にかかるので、1枚目と100枚目の仕上がりをそろえられます。当社の温度別の検証でも、DTFでいちばん気をつけたいのは温度より先に「しっかり圧力をかけること」でした。
一方で、プレス機のない出張先での作業や、お客様に「家でも貼れますか」と聞かれたときの説明には、この記事のアイロンの手順が役に立ちます。
※熱プレス機の種類と選び方は平板スイング式Wideプレス機 JL-PL003BⅡや、小さく置き場所をとらないミニプレス機 JL-PL001Eの記事をご覧ください。
向かないケースと注意点
- 大きなイラストは、アイロンで全体に均一に圧力をかけるのが難しくなります。A4いっぱいのデザインなどは、プレス機のほうが確実です。
- アイロンの温度は機種ごとに違います。「中温」でも、アイロンによって実際の温度は変わります。
- 熱に弱い素材は低温で押さえます。生地の耐熱温度はさまざまなので、目立たない場所や端切れで試してください。
- 2026年10月時点の製品ページには、アイロンでの温度・時間の案内は載っていません。アイロンで貼る場合は、この動画と説明書の手順を参考にしてください。分からないときは当社にご相談ください。
- WIPシリーズはインクジェットプリンターなので、白インクを使う以上、作業前のクリーニングが必要です。運用の実際はDTFプリンターの運用の実際をご覧ください。
なお、2026年10月時点のWIPシリーズの製品ページでは、A4機WIP754Rを270,000円(税別)で販売しています。A3機は2026年7月からプリンター本体の販売を見合わせています。製品ページでは、姉妹サイトの「アイロンプリント.com」で1枚から製作代行を受け付けていることも案内しています。
よくある質問
- 小型DTF(WIP)のフィルムは、家庭用アイロンで貼れますか?
- 貼れます。当社の動画では、フィルム面を上にして生地に置き、家庭用アイロンの低温〜中温で1か所5秒を2回、全体重をかけて押さえ、冷めてからフィルムを剥がし、シリコン紙を乗せて同じように仕上げプレスをして完成させています。ただし、販売する商品を作る場合は、温度・時間・圧力をそろえられる熱プレス機をおすすめします。
- アイロン台の上で作業してもいいですか?
- アイロン台は使わないでください。やわらかくて圧力がかかりにくいためです。動画ではアイロンプリントに適したラバースポンジマットを使い、テロップでは「硬い台の上に新聞紙1日分を敷いた上で作業すると圧力がしっかりかかる」と案内しています。
- アイロンの温度は何度にすればいいですか?
- 動画と説明書では「低温〜中温」です。熱に弱い素材は低温、綿の生地などは中温を使います。アイロンの温度は機種ごとに差があるため、まず端切れで試してください。プレス機で貼る場合は、動画の説明書では130〜150℃・20〜30秒と案内しています。
- フィルムはいつ剥がせばいいですか?
- この動画の手順では、アイロンで押さえたあと冷まし、冷めてからフィルムを剥がしています。剥がしたあとはシリコン紙を乗せて仕上げプレスをします。
- アイロンで貼ったプリントは、洗濯しても大丈夫ですか?
- この動画では洗濯の検証はしていません。DTFは圧力が足りないと、転写不良や後の剥がれにつながります。当社がプレス機で行った温度別の検証では、温度や圧力が足りない条件で洗濯後に剥がれが出ました。洗濯に耐えることが前提の商品は、熱プレス機で作ってください。
この記事のもとになった動画
【DTF】アイロンでの白インクパウダープリント(WIP)での貼り方(約3分。手順・道具は動画公開当時のもの)
まずは無料サンプルで、貼り心地を確かめませんか
小型DTFの無料サンプルを受け付けています。東京・大阪・福井のショールームでは、
プレス機での貼り方も実機でご覧いただけます(完全無料・要予約)。
※アイロンでの手順・道具は動画公開当時の実演と説明書の内容です。価格・販売状況は2026年10月時点の製品ページの情報です。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


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