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QUICK ART PRINT ACADEMY / LAMINATOR

ラミネーターを使う意味と
お手入れ
白トナープリントの「空気を抜く」工程

白トナープリントで抜ける転写紙を使うときは、熱プレスで糊をのせる前に、印刷したMP93シートと糊のついたプラスターシートを合わせてラミネーターに通します。導入前のご相談でも「ラミネーターは必要ですか?」「今あるラミネーターで代用できますか?」は、とても多いご質問です。

この記事では、ラミネーターを通す理由を通した場合・通さない場合の実演で確かめ、使えるラミネーターの見分け方、キャリアシートとローラーのお手入れ、抜き工程までできる「抜けるラミネーター」、糊付けそのものを自動化するペイスターまで、3本の動画と現在の商品ページの情報をもとにまとめました。

5分以内ラミネーターに通してから、熱プレスに移るまで(現行の説明書)
2〜3回転写紙を通す前と後に、クリーニングシートを通す回数(LFA34AR)
11,000円前処理用ラミネーターLFA34AR(A3・税込・2026年10月時点)
約12秒ペイスターならA4 1枚の糊付けが完了(手作業は1枚約60〜90秒)
先に結論
  • ラミネーターは、MP93シートとプラスターシートの間の空気を抜いて密着させるために使う。空気が残った部分には糊がつかない
  • 空気が残りやすいのはベタ(塗りつぶし)の多いデザインとA3サイズ。現行仕様のタイプWでは、デザインにかかわらずラミネーターは必須
  • 使えるのはホットラミネーター。手持ちの機種は、2枚を通して完全に貼り付いて出てくれば使える。空気が入ってボコボコなら向かない
  • はみ出した糊がローラーに付くと故障の原因に。キャリアシートに挟んで通し、クリーニングシートやローラー拭きでこまめにお手入れする
  • 手作業の糊付けを省きたいなら、専用シートを差し込むだけで糊付けできるペイスターという選択肢もある
01 / WHY

なぜラミネーターに通すのか

抜ける転写紙は、印刷したMP93シートとプラスターシートを重ねて熱プレスし、熱いうちに剥がすことで、トナーで印刷した部分にだけ糊を移します。このときポイントになるのが、2枚の紙の間の空気です。

抜ける転写紙タイプWに印刷した2種類のデザイン。左は細い線の文字イラスト、右は赤いベタの丸
動画では2種類のデザインで比べました。左は線の細いイラスト、右は赤で塗りつぶした丸(ベタ)です。

線の細いイラスト(動画ではVintageの文字)は、印刷されている面積が少ないので、2枚の間に空気が入りづらく、多少空気があっても問題になりにくいデザインです。一方、ベタのあるイラストは、2枚の間に空気が滞留しやすくなります。空気が残ったところにはプラスターの糊がつかず、そこだけ転写がうまくいかなくなります。

印刷したMPシートにプラスターシートを重ねようとしている手元。テロップはベタのあるイラストは2枚の紙の間に空気が滞留しやすい
ベタのあるイラストは、2枚の間に空気が残りやすくなります。

ラミネーターに通すと、ローラーが2枚を押さえながら空気を押し出して密着させてくれます。動画では「ベタ柄のイラストやA3サイズの場合は、基本ラミネーターを使うとプラスターの糊がちゃんとつきやすい」とまとめています。

02 / DEMO

実演:通した場合と通さない場合

赤いベタの丸を印刷したシートで、ラミネーターに通した場合と通さない場合を比べました。プレス条件はどちらも撮影時の仕様の130℃・30秒(表裏)です。

ホットラミネーターに、印刷したMPシートとプラスターシートを重ねて差し込んでいる。テロップは印刷したMPシートとプラスターシートを合わせてラミネーターの中に入れる
MPシートとプラスターシートを合わせて、ラミネーターに通します。

ラミネーターに通した2枚は、空気がほとんど入っていない状態で出てきます。そのままプレスして剥がすと、イラストの部分に不足なく糊がつきました。プラスターシート側を見ると分かりやすく、空気が入っていると白い糊がポツポツと残るのですが、それがありません。

プレス機の上でプラスターシートを剥がし終えたところ。テロップはイラストの部分に不足なく糊がついた
ラミネーターに通してからプレスすると、イラストの部分に不足なく糊がつきました。

次にラミネーターを使わずに、同じ130℃・30秒(表裏)でプレスしました。動画では、ラミネーターを使わなくても圧力を強くしたり、プレス時間を伸ばしたりすれば対処はできると話しています。ただし、ベタ柄やA3サイズでは、ラミネーターで空気を抜いておくほうが安心です。

ラミネーターを通さずにプレスしたシートを持っている。テロップはラミネーターを使わずとも圧力を強くしたりプレス時間を伸ばす事で対処はできるが
ラミネーターなしでも、圧力やプレス時間で対処できる場合はあります。ただし失敗のリスクはラミネーターありより高くなります。

転写紙にもコストがかかっています。ラミネーターがあると失敗が減り、長い目で見て使う転写紙を減らせるというのも、動画で挙げている利点です。

現在は「必須」です:この動画は2021年2月〜2023年6月前半の仕様のタイプWで撮影していて、「線の細いデザインならラミネーターなしでも」と話していました。現行仕様のタイプWでは、当社FAQでラミネーターは必須と案内しています。
03 / CURRENT STEPS

現行の手順でのラミネーターの使い方

タイプWの作り方説明書(2025年3月版)では、ラミネーターまわりの手順を次のように案内しています。

  1. MP93シートの印刷面とプラスターシートの糊面を合わせる(コーナーを折り曲げておくと、あとでめくりやすい)
  2. 2枚をキャリアシートに挟んでラミネーターに通す
  3. 5分以内に熱プレスへ。135℃・強圧で、1回目はMP93シートを上、2回目はプラスターシートを上にして計2回
  4. プレス後はすぐに、熱いうちにプラスターシートを剥がす

ラミネーター・プレス・剥がす作業は、時間を置かずに続けて行うのが基本です。2023年6月以降のタイプWで変わった温度や冷まし時間はタイプWの改良点と作業の変更点、剥がし方のコツはタイプWの剥がし方(糊のつけ方)完全ガイドで解説しています。

当社の前処理用ラミネーターLFA34AR(A3対応)の商品ページでは、抜ける転写紙を通すときはモードを「3」に設定するよう案内しています。

04 / WHICH LAMINATOR

使えるラミネーターの見分け方

ラミネーターにはホットラミネーターとコールドラミネーターがあります。抜ける転写紙に使うのは、熱で圧着するホットラミネーターです。ホットラミネーターにもローラーが2本のもの、4本のものなど種類がたくさんあり、正直なところ実際に通してみないと分からない部分があります。

ホットラミネーターから2枚重ねのシートが出てきているところ。テロップはホットラミネーター
使えるのはホットラミネーター。ローラーの本数などで種類がたくさんあります。

とはいえ、動画では大半は問題のないラミネーターで、感覚として7〜8割はラミネーターに通してうまくいっていると話しています。見分け方はシンプルで、お手元のラミネーターにMP93シートとプラスターシートを通して、

  • 2枚が完全に貼り付いてまっすぐ出てくれば → 使えます
  • 空気が入ってベコベコになっている → 空気を抜くのが目的なのに空気が入っているので、糊がうまくつきません
ラミネーターに通した2枚のシートを持ち上げている。テロップはお手元のラミネーターを通して2枚が完全に貼り付いているのであれば〇
お手元のラミネーターを通して、2枚が完全に貼り付いていれば使えます。

判断に迷う場合や、新しく購入を検討している場合は当社にご相談ください。当社では次のラミネーターを扱っています(2026年10月時点)。

商品用途価格(税込)
前処理用ラミネーター LFA34ARMP93シートとプラスターシートの貼り合わせ用。A3対応(加工幅最大320mm)、ウォームアップ約2分11,000円
抜けるラミネーター A3貼り合わせに加え、抜き工程(糊付け)までできるよう当社で加工。A4・A3用のブレード2種付き、上部カバーが開いてローラーを掃除できる49,500円

※価格は各商品ページの買い物かごの表示(2026年10月時点)です。

05 / CARE

お手入れ:キャリアシートとローラー掃除

抜ける転写紙をラミネーターに通すとき、気をつけたいのが糊の汚れです。プラスターシートの端からはみ出した糊がラミネーターの内部に付着すると、動作不良の原因になります。

① キャリアシートに挟んで通す

汚れ防止カバーシート(キャリアシート)に2枚を挟んで通すと、はみ出した糊がローラーに付くのを防げます。現行の説明書でも、キャリアシートに挟んで通す手順です。

② クリーニングシートを通す

前処理用ラミネーターLFA34ARの商品ページでは、糊がローラーに付着・固着するのを防ぐため、転写紙を通す「前」と「後」にクリーニングシートを2〜3回通すよう案内しています。それでも糊が付着して故障する可能性があるため、消耗品としてお考えくださいとしています。

③ ローラーを直接拭く(抜けるラミネーター)

クリーニングシートを通せばローラーの汚れはある程度落とせますが、当社の抜けるラミネーターは上蓋を開けてローラーを直接拭けるので、使用前にクリーニング作業をすることをお勧めしています。動画のテロップに沿って手順をまとめます。

  1. ラミネーターが完全に冷えた状態で、後部のブレード板を外してから電源を入れる
  2. オープンのボタンを押す
  3. 両脇のボタンを押さえると上蓋が開く(完全に冷めていないと開けられない)
  4. 両サイドのレバーを外すと、上部2本のローラーが上がり、下部のローラーが見える
  5. エタノール等でローラーの汚れを拭き取る
  6. 下部2本のローラーは動かないため、裏側も拭く場合は一度終了し、電源を入れてローラーを動かしてから止め、拭き取りを繰り返す
  7. 拭き終わったらすべて元に戻し、ブレードを溝に合わせてはめ込む
  8. 設定を再び175に戻して使う(動画のテロップでは「紙圧を175に設定」)
抜けるラミネーターの操作パネルに指を添えている。テロップは両脇のボタンを押さえると上蓋が開けられます。完全に冷めていないと開けられません
両脇のボタンを押さえると上蓋が開きます。本体が冷めていないと開きません。
上蓋を開けた抜けるラミネーターの赤いローラーを白い布で拭いている。テロップはエタノール等でローラーの汚れを拭き取ります
エタノール等をつけた布で、ローラーの汚れを拭き取ります。
抜けるラミネーターの操作パネルで設定ボタンを押している。テロップは再び紙圧を175に設定してお使いください
掃除が終わったら、設定を175に戻して使います。

※手順は抜けるラミネーターのお手入れ動画のものです。ほかの機種は取扱説明書に従ってください。

06 / NUKERU LAMINATOR

抜けるラミネーター:抜き工程までラミネーターで

当社の抜けるラミネーターは、2枚の貼り合わせだけでなく、プレス機で行う抜き工程(糊付け)までできるように加工したラミネーターです。動画では「プレス機を導入するのが一番良いが、場所などの関係でどうしても導入できない場合に」と前置きしたうえで紹介しています。

背面に付属のブレードを印に合わせて取り付け、MP93シートとプラスターシートを重ねて通します。A4のシートを使う場合は、普通紙を4等分に切ってマスキングテープで上下・表裏に貼り足し、余裕を持たせます。ラミネーターから出てきたところで、プラスターシートをブレードに押し当てながら上に引っ張って2枚を剥がすと、トナーの部分にだけ糊がのったマークができます。

抜けるラミネーターの出口で、プラスターシートを手前のブレードに押し当てながら引き上げている。テロップはプラスターシートをブレードに押し当てながら上に引っ張って2枚を剥がす
ラミネーターの出口で、プラスターシートをブレードに押し当てながら引っ張って剥がします。

動画では、できたマークを絵柄ごとにバラバラに切ってグレーのサコッシュに配置し、シリコン紙の上からアイロン(中温)で体重をのせて押さえて転写しました。冷めてから慎重に剥がし、浮いたところは紙を戻して再プレスしています。1mmもない細い線まできれいに転写できました。

グレーのサコッシュに、ハイビスカス、イルカ、サーフボード、赤いバスのイラストを転写したところ
抜けるラミネーターで作ったマークを、アイロンでサコッシュに転写した仕上がり。
業務ではプレス機を基本に:抜けるラミネーターの商品ページでは、ベタが多いデータの場合はプレス機との併用を勧めています。またタイプWの商品ページでは、マーク製作にはプレス機が必要(家庭用アイロンでは不可)と案内しています。動画は撮影時の仕様の抜ける転写紙での実演なので、現在のタイプWで抜けるラミネーターを使う場合の条件は、ご購入前に当社へご確認ください。
07 / PEISTER

糊付けを機械に任せる:ペイスター

ラミネーターに通し、プレス機で表裏2回プレスし、熱いうちに剥がす。この手作業の糊付けは、ペイスターの商品ページで1枚約60〜90秒かかる工程とされています。枚数が増えるほど、ここが作業のボトルネックになります。

当社の自動糊付け機ペイスターは、専用シート(タイプP/MP-P)に印刷したシートを差し込むだけで、A4 1枚約12秒で糊付けが完了します。ペイスター本体(A3機)は350,000円(税別・2026年10月時点)です。

実際にどのくらい速いのかは、A4の転写マーク60枚を作った60枚の転写マークは何分で作れる?白トナー×ペイスターで実測、DTFプリンターとの生産性の比較は白トナー×ペイスターと主要DTFプリンターを比較で紹介しています。

なお、ペイスターの商品ページでは、濃色の生地ではタイプPはタイプWに比べて発色がやや暗め(落ち着いた色み)になると案内しています。色を重視する案件は、実物サンプルで確かめてから進めてください。

08 / NOTES

注意点

一般のラミネーターは、メーカーの想定外の使い方になります。前処理用ラミネーターLFA34ARの商品ページでも、抜ける転写紙での使用はメーカー推奨の利用方法ではなく、故障した場合は保証期間内でも有償修理となる可能性があると案内しています。糊汚れによる故障の可能性も考えて、お手入れを習慣にしてください。
当社で加工していないラミネーターでは、抜き作業はできません。抜けるラミネーターの商品ページでは、当社で加工していないラミネーターは温度が足りずに抜けない場合や、2枚を剥がすタイミングが変わるため、抜き作業には適さないと案内しています。一般のラミネーターは、あくまで貼り合わせ(空気抜き)用です。
ラミネーターだけで失敗がなくなるわけではありません。糊がつかない原因には、プレスの温度・圧力・時間、剥がし方、デザイン(ベタの多さ)、季節による室温・湿度もあります。うまくいかないときは、データやシートの写真を送っていただければ、当社で原因を確かめます。
09 / FAQ

よくある質問

ラミネーターは必ず必要ですか?
現行仕様の抜ける転写紙タイプWでは必須です。当社FAQでは「ラミネーターは必須」、ラミネーターの商品ページでも「抜ける転写紙を制作する際には必ずラミネータをご使用ください」と案内しています。以前の動画では、線の細いデザインならラミネーターなしでも大丈夫と話していましたが、現在は必ず通す手順です。
手持ちのラミネーターは使えますか?
ホットラミネーターであれば使える可能性があります。ローラーの数や種類はいろいろあり、実際に通してみないと分かりませんが、動画では大半は問題のないラミネーターだと話しています。MP93シートとプラスターシートを通して、2枚が完全に貼り付いて出てくれば使えます。空気が入ってボコボコになる場合は向きません。コールドラミネーターは使えません。
ラミネーターに通したあと、すぐプレスしないといけませんか?
現行の説明書では、ラミネーターに通したら5分以内にプレスに移り、プレスが終わったらすぐに剥がす作業に移るよう案内しています。ラミネーター・プレス・剥がす作業は時間を置かず続けて行ってください。
キャリアシートは何のために使うのですか?
プラスターシートの端からはみ出した糊がラミネーターの内部(ローラー)に付くのを防ぐためです。糊が付着すると動作不良の原因になります。現行の説明書でも、2枚をキャリアシートに挟んでラミネーターに通す手順になっています。
お手入れはどのくらいの頻度でしますか?
前処理用ラミネーターLFA34ARの商品ページでは、転写紙を通す前と後にクリーニングシートを2〜3回通すよう案内しています。上蓋が開く抜けるラミネーターは、ローラーを直接拭けるので、動画では使用前にクリーニング作業をすることを勧めています。
抜けるラミネーターがあればプレス機はいりませんか?
抜けるラミネーターは、プレス機を置けない場合でも抜き工程(糊付け)ができるように当社で加工したラミネーターで、動画ではアイロンで生地に転写しています。ただし商品ページではベタが多いデータはプレス機との併用を勧めており、タイプWの商品ページではマーク製作にプレス機が必要と案内しています。業務で安定して作るならプレス機を基本に考えてください。
VIDEO

この記事のもとになった動画

【解説】白トナープリントでラミネーターを使う意味について(動画公開当時。プレス条件は2021年2月〜2023年6月前半の仕様)

ラミネーターのお手入れ(抜ける転写紙)(動画公開当時。抜けるラミネーターの内部ローラーの掃除)

抜きプリントの工程がラミネーターで出来る!~抜けるラミネーター~(動画公開当時。撮影時の仕様の抜ける転写紙での実演)

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※本記事の価格・仕様は2026年10月時点の商品ページと作り方説明書(2025年3月版)によります。動画内のプレス条件は撮影時の仕様のものです。作業の際は必ずお手元の商品の説明書をご確認ください。

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