CorelDRAW(コーレルドロー)とは?
2026年版の特徴と、
プリントデータ作りでの使いどころ
前回の記事では、無料で使えるデザインソフト「Inkscape(インクスケープ)」をご紹介しました。今回は、Tシャツプリントやサイン(看板)業界で昔から根強い人気がある「CorelDRAW(コーレルドロー)」をご紹介します。
最初にお伝えしておきたいのは、CorelDRAW は無料ソフトではなく、有料のソフトだということです。ただし15日間の無料体験版が用意されているので、「買う前に自分の作業に合うか試したい」という方でも安心して触ってみることができます。
- CorelDRAW は、海外のTシャツ・看板業界で長く使われてきた有料のデザインソフト
- 15日間の無料体験版があるので、まずは試してから判断できる
- 2026年版はAIによる背景削除や画像生成が加わり、写真を使ったプリントデータ作りがより手軽になった
- 買い切りで購入できるのが、Illustrator にはない大きな魅力
CorelDRAW とは
CorelDRAW は、カナダの Corel(コーレル)社が開発しているベクター形式のグラフィックデザインソフトです。Adobe Illustrator と同じ「ベクター(線と面で図形を描く)」タイプのソフトで、1989年の初版から30年以上の歴史があります。
日本では Illustrator のシェアが圧倒的ですが、海外、特に看板・ステッカー・カッティングシート・Tシャツプリントの現場では CorelDRAW が定番ソフトとして使われてきました。海外製のカッティングプロッターや転写機器の解説で、CorelDRAW の画面が出てくることが多いのはそのためです。
2026年10月時点のラインナップ
CorelDRAW にはいくつかの製品があります。プリントデータを作る目的なら、基本的には「Graphics Suite」を検討すればOKです。
| 製品 | 購入方法 | 対応環境 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Graphics Suite 2026 | 買い切り / 年額サブスク | Windows・Mac・Web | フル機能版。写真編集ソフト「Corel PHOTO-PAINT」なども付属 |
| Standard | 買い切り | Windows のみ | 機能を絞った廉価版 |
| Go | サブスクのみ | ブラウザ | 初心者向けの簡易版。画像のベクター変換(トレース)機能はなし |
価格の目安(日本)
Graphics Suite 2026 ダウンロード版(買い切り):82,500円(税込)。国内ではソースネクストが販売しており、2026年4月28日に発売されました。年額のサブスクリプション版もあります。価格は時期やキャンペーンで変わるため、購入前に公式サイトでご確認ください。
Graphics Suite 2026 の対応OSは、Windows 11/10(64ビット・22H2以降)と、macOS Tahoe(26)/Sequoia(15)/Sonoma(14)です。動作には常時インターネット接続が必要です。
2026年版の主な新機能
2026年版では、AI機能が大きく強化されました。
| AIジェネレート | 文章(プロンプト)から画像を作成できます |
|---|---|
| AIによる画像リミックス | 手持ちの画像をもとに、要素の差し替えやデザインモックアップを作れます |
| AIによる背景削除 | 写真の背景をワンクリックで消せます |
| AIマスキング | Corel PHOTO-PAINT で、被写体の選択や切り抜きがより正確になりました |
| 起動の高速化・画面の刷新 | 起動時間が大きく短くなり、画面デザインも新しくなっています |
AI機能の一部は「クレジット」を消費します。製品には2,000クレジット(画像生成で最大約1,000枚分)が付属し、足りなくなったら追加購入できます。
Tシャツプリントでは、写真の背景削除がとくに便利です。ペットや人物の写真をプリントしたいとき、背景を消して被写体だけを残す作業が、これまでよりずっと簡単になりました。
Tシャツプリントのデータ作りで便利なポイント
1. 画像をベクターに変換する「PowerTRACE」
CorelDRAW には、手描きのイラストや画像を、拡大しても荒れないベクターデータに変換するPowerTRACE(パワートレース)という機能があります。お客様から「ロゴの画像しかない」と言われたときに、ベクターに描き直す手間を大きく減らせます。
2. 色の管理がしっかりできる
CMYK のカラー管理や、特色(スポットカラー)の指定ができます。「このロゴの赤をいつも同じ色で出したい」といった、ブランドカラーの管理がしやすいのは業務用ソフトならではです。
3. Illustrator のデータも開ける
AI・PDF・SVG・EPS など、さまざまなファイル形式を読み書きできます。お客様や取引先から Illustrator 形式(.ai)のデータをもらうことが多い方でも、作業の流れを止めずに済みます。
※複雑なデータは、開いたときにレイアウトや効果が変わることがあるので、印刷前に必ず確認しましょう。
4. 買い切りで使える
Adobe Illustrator はサブスク(月額・年額)のみですが、CorelDRAW Graphics Suite は買い切りでも購入できます。「毎月の支払いを増やしたくない」「長く同じソフトを使い続けたい」という方には大きなメリットです。
ほかのソフトとの比較
| CorelDRAW | Inkscape | Affinity | Illustrator | |
|---|---|---|---|---|
| 価格 | 有料(買い切り 82,500円〜/サブスクあり) | 無料 | 無料(AI機能は Canva 有料プラン) | 有料(サブスクのみ) |
| 対応OS | Windows・Mac・Web | Windows・Mac・Linux | Windows・Mac | Windows・Mac |
| 画像のベクター変換 | ◎ PowerTRACE | ○ ビットマップトレース | ○ | ◎ 画像トレース |
| 日本語の情報量 | △ やや少なめ | ○ 多い | ○ 増えている | ◎ 非常に多い |
| 業務でのやり取り | ○ | △ | ○ | ◎ 業界標準 |
まとめ
- CorelDRAW は、海外のTシャツ・看板業界で長く使われてきた有料のデザインソフトです
- 15日間の無料体験版があるので、まずは試してから判断できます
- 2026年版はAIによる背景削除や画像生成が加わり、写真を使ったプリントデータ作りがより手軽になりました
- 買い切りで購入できるのが、Illustrator にはない大きな魅力です
無料の Inkscape や Affinity で物足りなくなったとき、またはサブスクを避けて本格的なソフトを使いたいときの選択肢として、CorelDRAW を検討してみてはいかがでしょうか。
※2026年10月時点の情報です。価格・仕様は Corel 社・販売元の発表をもとにしています。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


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