抜ける転写紙の
種類と選び方。
W・WL・C・Pの違い
白トナープリンターで印刷し、印刷した部分だけを生地に転写できるのが「抜ける転写紙」です。カッティングのようなカス取りも、シルクスクリーンのような版も要りません。ただ、商品ページを見ると種類がいくつかあり、「どれを買えばいいのか分からない」という声をよくいただきます。
この記事では、2026年10月時点で販売している抜ける転写紙4種類(タイプW・WL・C・P)の特長と向く生地を、動画で紹介した実例をもとに1ページにまとめました。あわせて、ぷくぷくプリントシートや全面転写紙など、同じ白トナープリンターで使えるほかのシートとの使い分けも紹介します。
- 迷ったらタイプW。綿・ポリエステル・ナイロンのほとんどの生地に使え、白の発色がいちばん濃く、洗濯堅牢度は4-5級
- ナイロンなど薄い生地・大きなベタのデザインが多いならタイプWL。糊が薄く、糊付けで軽く剥がせる。白はWより少し控えめ
- トートバッグ・帆布など厚手で硬い生地ならタイプC。表面にシールのように定着する。洗濯堅牢度は4級
- 月に何百枚も作るなら、糊付けを自動化するタイプP+ペイスター(A4 1枚約12秒)
- W・WL・Cは同じ価格。お試し5枚セット(A4 2,475円税込)で比べてから、主力を決めるのが確実
抜ける転写紙とは(作り方のしくみ)
抜ける転写紙は、印刷用のシート(MPシート)と糊のシート(プラスターシート)の2枚1組です。白トナープリンターでMPシートに左右反転で印刷し、プラスターシートと重ねてプレスしてから剥がすと、トナーが乗った部分にだけ糊が付きます。トナーは熱を加えると粘着性が出るため、余白には糊が付きません。

糊付けができたシート(転写マーク)をデザインごとに切り分け、生地に乗せてプレスし、冷めてから裏紙を剥がせば完成です。タイプW・WL・Cはこの手順も価格もほとんど同じで、違うのは主に糊の性質です。2025年3月以降、手作業で糊付けするタイプ(W・WL・C)は、プレスの前に2枚をラミネーターに通すことが必須になっています。

※淡い色や白を含むデザインは、白トナープリンターWTRIP835とRIPソフトで印刷します。白トナーがない場合は、CMYKの合計が80%以上の濃い色だけで印刷します。細かい剥がし方のコツはタイプWの剥がし方の記事で紹介しています。
現行4タイプの早見表
2026年10月時点で販売している抜ける転写紙は、次の4種類です。洗濯堅牢度と価格は各商品ページの表記です。
| タイプ | 向く生地・用途 | 特長 | 洗濯堅牢度 | 糊付け |
|---|---|---|---|---|
| W 定番 | 綿・ポリエステル・ナイロンなど幅広い生地。スウェット、ジャケット、帽子も | 白の発色がいちばん濃い。販売10年超の定番 | 4-5級 | プレス機(手作業) |
| WL 薄糊 | ナイロンなど糊が突き抜けるほど薄い生地。ベタの多い大きなデザイン・細い文字 | 糊付けで軽く剥がせる。白はWより少し控えめ。6oz以上の厚手の綿は割れやすい | 4-5級 | プレス機(手作業) |
| C 厚手用 | トートバッグ・帆布・デニムなど厚手で硬い生地。木材・革にも(相性による) | 表面にシールのように定着。細かいツンツンしたデザインや小さな文字は不向き | 4級 | プレス機(手作業) |
| P ペイスター専用 | 綿・ポリエステル(表フラット・裏メッシュ推奨)・ナイロン | 糊付けをペイスターで自動化。濃色生地では落ち着いたマットな発色 | 4-5級 | ペイスター(自動) |
| 価格(2026年10月時点・税込) | A4 | A3 |
|---|---|---|
| タイプW・WL・C お試し5枚セット | 2,475円 | 4,950円 |
| タイプW・WL・C 100枚セット | 37,950円 | 77,000円 |
| タイプP(MP-Pシート100枚+PLASTERロール1本) | 41,800円 | 83,600円 |
※W・WL・Cは同じ価格です(2025年10月の動画でも「全て同価格」と紹介)。2021年の動画では「A4 5枚セット約2,000円から」と紹介していましたが、現在の価格は上の表のとおりです。300枚セットや単品のシートもあります。最新の価格は抜ける転写紙の一覧ページでご確認ください。
タイプW:まず最初の1種類
タイプWは、抜ける転写紙の中でいちばん基本のタイプです。綿・ポリエステル・ナイロンと生地をほとんど選ばず、黒の綿Tシャツ、赤や黒のポリエステルのドライTシャツ、スウェット、コーチジャケットまで、同じ転写紙でプリントできます。

糊のシートが白く、イラストの下に白い層ができるため、赤や黒の生地でも色が負けずに発色します。熱で溶けた糊が繊維の奥まで押し込まれ、冷えて固まることで定着するので、柔らかい仕上がりなのに洗濯に強いのも特長です。商品ページの洗濯堅牢度は4-5級で、動画では約40回洗濯したTシャツでも割れなどは出ていませんでした。

2021年の動画では「抜ける転写紙の売上の9割以上がタイプW」、2025年10月の動画では「6〜7割近くがタイプW」と紹介しています。WLが加わって割合は下がりましたが、衣類へのプリントが中心の方が最初にそろえる1種類であることは変わりません。
※タイプWの糊付け(剥がし方)のコツはタイプWの剥がし方、W・B・Cの剥がし方や洗濯の違いはタイプW・B・Cの比較の記事にまとめています。
タイプWL:薄い生地と大きなデザインに
タイプWLは2025年3月に発売した、タイプWの「L(ライト)」版です。軽いのは糊で、プラスターシートの糊がWより薄くなっています。印刷用のMPシートはタイプWと共通です。

糊が薄いことで、2つの良さがあります。1つはナイロンなどの薄い生地に向いていること。糊がはみ出したり、ごわついたりしにくくなります。もう1つは糊付けのときに軽く剥がせることで、Wでは大変に感じることがある大きなイラストやベタの多いデザインでも、失敗が少なくなります。そのため、綿やポリエステルでもWLをメインに使っているお客様が多くいます。

注意点は、白の発色がWより少し控えめなことです。黒などの濃色の生地で並べると差が分かります。また商品ページでは、6oz以上の厚め・硬めの綿は洗濯後に割れが出やすいとしています。WとWLのどちらが合うかは好みが分かれるので、両方の5枚セットで試して主力を決めるのがおすすめです。
※タイプWLは、以前販売していた極薄生地用のタイプBの後継品として紹介しています。WLの詳しい使い方・A3サイズの剥がし方・発色の比較はタイプWLの特長と使い方、タイプBでナイロンにプリントした実演はタイプBでナイロンにプリントの記事をご覧ください。
タイプC:トートバッグ・帆布など厚手に
タイプCの「C」はキャンバスのCです。キャンバス生地は繊維が詰まっていて硬く、繊維の奥に糊を押し込んで定着させるタイプW・WLでは、糊が跳ね返されて転写しにくいことがあります。タイプCの糊は、生地の表面にシールのように定着するので、厚手で硬い生地でも細かいイラストを転写できます。

その代わり、表面での定着なので洗濯堅牢度は4級と、タイプWの4-5級より少し下がります。トートバッグのようにあまり洗濯しないものに向いています。また、Wと比べて抜きが少し甘いため、細かくツンツンしたデザインや小さい文字には向きません。
表面にくっつく性質のおかげで、素材との相性によっては革や木材にもプリントできます。ただし種類によってできないものがあり、プラスチックのような繊維でない素材にはプリントできません。

※商品ページでは、5〜6oz以上のキャンバス生地はタイプWだと転写が難しい場合がある、としています。Wで転写できるなら仕上がりの違いはほとんどありません。タイプCの使い方はタイプCの特長と使い方の記事で詳しく紹介しています。
タイプP:ペイスターで糊付けを自動化
タイプW・WL・Cは、プレス機で1枚ずつ糊付けします。手作業だと1枚あたり約60〜90秒かかります。タイプPは、自動糊付け機ペイスター専用の抜ける転写紙で、MP-P印刷シートに印刷してペイスターに差し込むだけで、A4 1枚約12秒で糊付けされて出てきます。ラミネーターもプレスも要りません。
| 項目 | 手作業(タイプW・WL・C) | ペイスター(タイプP) |
|---|---|---|
| 糊付けのやり方 | ラミネーターに通す → プレスして熱いうちに剥がす | ペイスターに差し込むだけ |
| 1枚あたりの糊付け時間 | 約60〜90秒 | 約12秒 |
| 必要な機材 | 白トナープリンター+プレス機+ラミネーター | WTRIP835+ペイスター+プレス機 |
| 濃色生地での発色 | タイプWがいちばん濃い | 落ち着いたマットな発色(特に赤系はやや暗め) |
生地にプレスしてからの手順は同じです。注意したいのは、タイプPはペイスターがないと使えないこと、反対にタイプW・WL・Cはペイスターでは使えないことです。濃色の生地では白い生地より発色が落ち着くので、色を重視する案件は実物サンプルで確かめてください。月に何百枚と作るなら、糊付けの自動化を考える価値があります。
※タイプPは白トナー印刷が前提で、WTRIP835での動作確認済み設定が推奨されています。ペイスターで実際に何枚作れるかはペイスターで60枚の転写マークの記事、DTFとの比較はペイスターとDTFの比較の記事をご覧ください。
抜ける転写紙以外のシートとの使い分け
白トナープリンターは、転写紙を替えるだけで表現を広げられるのが強みです。2025年10月の動画では、抜ける転写紙のほかに次のようなシートを紹介しています。
| シート | できること | 向くデザイン |
|---|---|---|
| ぷくぷくプリントシート | 印刷した部分だけがぷっくり膨らむ。白・シアン・マゼンタ(赤系)・イエロー・ブラックの5色 | 文字やロゴを立体的に見せたいとき。作り方は抜ける転写紙とほぼ同じで、ひと手間増える程度 |
| 全面転写紙 | 印刷して外側をカットし、裏紙を剥がして貼ってプレス | 写真など四角く切り抜けば済むデザイン。白生地用EA-CR、濃色生地用WHS-SOFT・WHS-CL・EA-WHS |
| メタリックホイル(箔) | タイプWと組み合わせて金・銀などの箔プリント | ロゴや文字をキラッと光らせたいとき |
| オーブンプリントシート | 印刷したフィルムを陶器に貼り、家庭用オーブンで焼き付け | マグカップや食器を小ロットで |
| フィルムシール・Tattooシール | 印刷して貼るシール(クリア・ホワイト)、デザイン部分だけ肌に貼れるタトゥーシール | 布以外の小物、イベント用 |



※全面転写紙のうち、WTRIP835にはWHS-SOFT(シートが薄く、かすれにくい)が推奨です。以前のWTRIP811ではWHS-CLも使えます。EA-WHSは重合トナーのレーザープリンター用です。写真プリントのデータの作り方は写真をTシャツにプリントする3つの方法、ぷくぷくプリントは膨らむプリントを作る方法の記事で紹介しています。
迷ったときの選び方
作りたいものから選ぶと、次のようになります。基本はタイプWで、ほかのタイプはWが少し苦手なところを補う役割と考えると分かりやすくなります。
| 作りたいもの | おすすめ |
|---|---|
| 綿・ポリエステルのTシャツ、スウェット、ポロシャツ、ジャケット | タイプW(まずはこれ) |
| ナイロンのジャケット・ウインドブレーカーなど薄い生地 | タイプWL |
| A3など大きなデザイン、ベタの多いデザインで糊付けに失敗しやすい | タイプWL |
| 黒など濃色の生地で、白をいちばん濃く出したい | タイプW |
| キャンバストート・帆布・デニムなど厚手で硬い生地 | タイプC |
| 革や木材にもチャレンジしたい(素材との相性による) | タイプC |
| 月に何百枚も作り、糊付けを自動化したい | タイプP+ペイスター |
| 写真など四角いデザインをそのまま貼りたい | 全面転写紙 |
| デザインを立体的にふくらませたい | ぷくぷくプリントシート |

WTRIP835の導入時のセットにはW・WLが数枚ずつ入っているので、まずは両方を試して、主力にする方を決めてください。抜ける転写紙と海外製の転写紙との違いは国産“抜ける転写紙”と海外製転写紙の違いで比べています。
向かないケースと注意点
抜ける転写紙はどんなデザイン・素材にも万能というわけではありません。買う前に、次の点を確認してください。
また、プレス機やプリンターには個体差があるため、商品ページでも最初はA4のお試し5枚セットから試すよう案内しています。WLとCは「製作にコツが要る」として、A4でコツをつかんでからA3に進むことをすすめています。保存の目安は購入から3か月〜半年で、開封後は袋に戻して密閉し、乾燥した場所で水平に保管します。
※2021年の動画では、現在は販売を終えたタイプもあわせて紹介しています。この記事では2026年10月時点で販売中のタイプだけを載せています。動画内の洗濯堅牢度(2021年の動画ではW 5級と紹介)は撮影時の表記で、記事では現在の商品ページの数値を使っています。
よくある質問
- 抜ける転写紙はどれを買えばいいですか?
- 迷ったらタイプWから始めてください。綿・ポリエステル・ナイロンのほとんどの生地に使え、白の発色がいちばん濃く、洗濯堅牢度も4-5級です。ナイロンや大きなベタのデザインが多いならタイプWL、トートバッグや帆布ならタイプCを足すのがおすすめです。
- タイプWとタイプWLの違いは何ですか?
- WLはWより糊が薄く、糊付けのときに軽く剥がせます。大きなデザインやナイロンなど薄い生地に向いています。白の発色はWより少し控えめです。印刷用のMPシートは共通で、W・WL・Cは同じ価格です。
- トートバッグや帆布にはどの転写紙を使いますか?
- タイプCです。生地の表面にシールのように定着するので、繊維が詰まった硬い生地でも転写しやすくなります。素材との相性によっては木材や革にもプリントできます。洗濯堅牢度は4級です。
- 写真をプリントしたいときも抜ける転写紙を使いますか?
- 四角く切り抜けば済む写真なら、全面転写紙が手軽です。抜ける転写紙は、ハサミやカッターで切り抜けない細かいイラストや文字の部分だけを転写したいときに向いています。
- タイプPとは何ですか?手作業でも使えますか?
- 自動糊付け機ペイスター専用の抜ける転写紙です。A4 1枚約12秒で糊付けできます。糊付けにはペイスター本体が必要で、タイプW・WL・Cはペイスターでは使えません。
この記事のもとになった動画
【1つの機器で色々作れる!】白トナープリンタ導入検討の方は是非ご覧ください 約10種類の転写紙の特長解説(2025年10月公開・撮影)
【解説】抜ける転写紙6種を1つずつ説明します 白トナープリント講座(2021年3月公開。現在は販売を終えたタイプも含みます)
まずは5枚セットで、仕上がりを比べてみませんか
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東京・大阪・福井でのデモ体験、オンラインでの個別説明も受け付けています。
※本記事の価格・仕様は2026年10月時点の商品ページの情報です。動画内の価格・数値は撮影時のものです。
メーカーの売り文句ではなく、現場で刷って、売って、サポートしてきた事実だけをお伝えします。


抜ける転写紙
全面プリント転写紙
発泡シート
箔・ラバー・ラメ
トナー・ドラム
DTFインク・フィルム
プレス資材
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Type-WLナイロン・薄い生地
Type-Cキャンバスバッグ
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オーブンプリントマグカップ・食器に
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